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ー雪山ー186

 しかし、この視界では下までどれくらいあるのかが分からない状態だ。 望と裕実がいくら滑って行ってもこうコテージさえも未だに見えて来ない。 もしかしたらコースを外してしまっているのではないかと思う位にだ。 と、その時、丁度いいタイミングで山小屋みたいなのが見えて来て望と裕実は再びアイコンタクトを取ると山小屋の中へと入って行く。 「まさか、こんな所に山小屋があるなんてな」  望は先に山小屋の中に入って様子を伺う。  しかし何でこんな所に鍵も掛けていないような山小屋があるのであろうか。  そこも不思議に思いながら中を見ていると、そこにはテーブルも暖炉もあって数時間位だったら寒さ等凌げそうな感じだ。 しかも手入れがされているのか埃が溜まっている気配がなかった。 「望さん? もしかして、ここはもしもっていう時の避難所なんじゃないんでしょうか? だって、入って来るドアの所にそう書いてありましたからね」 「なんだー、そうだったのか、よく、裕実は見てたな。 だから、埃とかが溜まってないんだな。 それに、テーブルとかもあるしさ……毛布もあるみたいだし。 暖炉はあるんだけど、薪が無いんじゃ意味ねぇんじゃん。 ま、いいや……とりあえず、吹雪が止むまではここに留まってる方が安全みたいだしさ」  望はそう言うと近くにあった椅子へと腰を下ろすのだ。 「裕実、お前も体休ませておいた方がいいと思うぞ」 「はい! 分かりました!」  裕実の方はそう元気よく返事をすると望が座っているテーブルの前へと腰を下ろす。  だが、こんな寒い中で暖炉はあるのだが薪が無いのでは使えないのではジッとしているには寒すぎる。 寧ろ体を動かした方がいいのではないかと思う位だ。 段々と足先から冷えて来ているのがわかる。  このままでは凍死してしまうのではないかと思う位になってきた。  裕実の方はもう完全に寒いのであろう。 体を震わせ唇までも青くさせているのだから。 「裕実……大丈夫か?」 「は、はい……大丈夫ですよ」  そう言って裕実は望に向かって笑顔を見せるのだが、やはり、そこは望に心配を掛けないようにと笑顔を向けたのであろうが望からしてみたら本当に裕実の方はヤバそうな表情をしていた。

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