760 / 2160

ー雪山ー187

 望はとりあえず部屋の中を歩き始める。  暖炉はあるのだから何処かしらに薪等があると思ったからなのかもしれない。  裕実の方は寒がりなのか、もう動けなさそうだったのだが望の方は動けるようで、その足で山小屋の外へと足を向けると裏手の方にある倉庫の中に薪が置いてあった。 そこにはマッチも置いてあって、それを手にすると望は裕実が待つ山小屋の方へと戻るのだ。 「これで、体を暖める事は出来るよな?」 「そ、そうですね」  そうは言うものの裕実の方は未だに体を震わせている。 「とりあえずさ、暖炉の前に来いよ。 もし、寒くて来れないようなら火を点けたなら暖炉の前まで連れてってやるしさ」 「流石に大丈夫ですよ……そこまでは自力で行けますからね」 「ああ、おう……分かった……とりあえず、無理しないようにな」  望はそう言いながら薪を組み上げて暖炉の方に火をつける。  これで多少は暖まる事が出来るだろう。 それと同時に裕実が暖炉の傍まで来るのだ。 「これで、少しは暖まってきただろ?」 「はい! 良かったですよ……薪があったみたいでね。 ですが、和也さんと雄介さんの方は大丈夫でしょうか?」  裕実の方は少し体を暖める事が出来て気持ち的には元気が出てきたのか喋れるまでは回復出来たらしい。 そこにホッとする望。 「大丈夫なんじゃないかな?」  そう言いながら望はウェアの内ポケットに入れておいた携帯を取り出してみるのだが思った通りとでも言うのであろうか。 その山小屋は見事に圏外だったようだ。  そこに、ため息を漏らす望。 「やっぱ、連絡も取れないかぁ。 もう、後は助けを待つしかねぇのかな? それと、先ずは雪が止んでくれねぇと動けないって感じだしよ」

ともだちにシェアしよう!