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ー雪山ー193

「あ、ああ、そうだな……とりあえず、みんなで生きて帰るには今はそうするしかないのかぁ」  和也はそう言うと床の上に置いてある裕実や望が置いて飴を一つ拾い口の中へと放り込む。 裕実も和也の後に続き口の中に入れる。  望のほうも雄介の口の中に飴を入れてから自分の口の中へと入れるのだ。 「外はやっぱ変わらないか……寧ろ、さっきより酷くなったような気がするんだけどな」 「確かにそうなのかもな」  三人は再び窓の外に視線を向けていた。  幸い、ここは非常用としての山小屋だけあるのかもしれない。 小屋の中には電気だけは通っていた。 だが流石に水道やガスまでは通っていないようなのだが。  テレビも携帯も圏外。 それに今は食べ物だって飴やチョコとある意味非常用のしかない状態だ。  それに、このままでは睡眠だってろくに取れそうな感じがしない気がする。 勿論こんな状況の時に性欲なんかあるわけがない。  望は一つため息を吐くと、 「和也……雄介はどうして怪我なんかしたんだ?」 「それか……ま、とりあえず、落ち着いたから話すか?」  和也はひと息吐くと雄介が怪我してしまった経緯を話し始める。  難しいコースへと来た四人。 この時点で、もう既に周りは吹雪になり始めていた。 そこで危険を感じた雄介と和也は先に降りて行ったのだが途中で望と裕実が着いて来ない事に気付いた雄介は、一旦、足を止めて和也と会話を始める。 だが、この吹雪では会話もままならないのだが大きな声で話せば、どうにか会話は出来たようだ。 「どないする? 望達来ぇへんのやけど……?」

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