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ー雪山ー211

 確かに和也はそういうところがあるというのは望も知っているところだ。 だがそこは望的には裕実が病院で働くようになってから気付いた所であって裕実はもうそこの所については既に知っているという所なんであろう。 「そうだな……和也だって最初は使えなかったぞー。 仕事は出来るんだけどさ、なんていうのかな? それが空回りしてたっていうのかな? 慌てなきゃ出来るのにアイツは俺に付いて来ようとして一人でパニックになったりしてたからな」 「へぇー、和也さんにもそんな時期があったんですね」 「ああ、でも、一週間位してからかな? 冷静になれたみたいなんだよな。 アイツ、記憶力はいいみたいだからさ、仕事は直ぐに覚えられてたし、それからは、俺の方が楽になったっていうのかな? まぁ、和也に関してはそんなに話はねぇのかもな?」 「じゃあ、望さんって和也さんに何回か抱かれたって言ってたじゃないですか? 和也さんに変態チックな事ってされました?」  裕実はその話題を小さな声で聞く。 もし普通に話をして和也や雄介を起こしてしまったら!? と思ったからなのかもしれない。  そんな質問をされた望は和也に抱かれた日の事を思い出してしまったのかもしれない。 顔を赤くしながら顔を俯け頰を掻いている。  だが望は何でか裕実には素直というのか、これが和也や雄介からの質問だったら怒ったり拗ねたり言わなかったりする所なのだが何故か裕実からのそんな質問に対しては若干恥ずかしがりながらも答えるようだ。 「ま、まぁ……確かに和也の場合には雄介と比べたらノーマルではないって感じだよな?」  そうそっぽを向きながらではあったのだが、そう素直に答える望。 「やっぱ、和也さんって変態ですよね?」 「まぁ、アイツは既に専門学校時代に男と経験あったって言ってたしな。 まぁ、だから知識があるって事なんじゃねぇのか?」  望はそう言いながら窓の外へと視線を向けると部屋の中の気温と外の世界の気温と差があるのであろう。 窓の方は曇っているようだ。 だが段々と闇が明けてきたのか薄っすらとではあったのだが明るくなってきているようにも思える。 そして風の方も止んできているようで窓を叩く音も聞こえなくなっていた。  それを確認してホッと胸を撫で下ろす望。  その様子に気付いたのは裕実だ。 「どうしたんですか? なんか急にホッとしたような表情してるんですけど?」 「ん?」

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