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ー雪山ー213

 どうやら裕実には望が考えている事は伝わっていないようだ。 だからなのか裕実は望に向かって首を傾げている。 「あ、ああ……ほら、明るくなってきて、雪も風も止んだだろ? だからさ、俺達の中でスキー出来るのは和也だけだろ? だからさ、和也にコテージの方にまで行ってもらって、ヘリとか助けとか呼んで来て欲しいなーって思ってる訳さ……そしたら、雄介を病院まで運ぶ事が出来るだろ?」  裕実はその望の説明で納得したのであろう。 手を叩いて、 「そうですねー! 流石は望さんです! 流石の僕でもそこまで考えてなかったですよー」 「あのなぁ、そこは別に褒める所じゃあねぇんだけど、だってな、俺はあくまで普通の事を言ったまでで……」  望はそう顔を伏せてまで答える。  そう大人になってから褒められると恥ずかしいと思うからなのかもしれない。 それと一番自分が苦しいと思っている時に褒められると辛いものがある。 今はまだ平常心でいられている望なのだが内心の方ではもういつ自分が崩れてもおかしくはない状況だから余計になのかもしれない。 「望さん!」  裕実は急に大きな声を上げてまで望の事を呼んで来る。 「あ、おう! 何だ? 急に……」  そう望は裕実の方に笑顔を向ける。 「僕には嘘なんか通じませんからね」  そう裕実は真剣な瞳で望の事を見上げてくる。 「無理しないで下さいね。 もし、和也さんが、今のような雄介さんのような状態でしたら、僕も望さんと同じような感じなんだと思いますよ。 確かに、今の望さんは見た目は冷静そうにあるんですけど、心の中では雄介さんの事が心配で大声で泣きたいと思っているんですよね? だから、本当に無理はしないで下さいよ。 泣きたい時には思いっきり泣いた方がスッキリすると思いますしね」 「そうだな……ありがとう。 だけど、そこはちょっと違うかな? だってさ、ここで俺が思いっきり泣いた所で、雄介が助かる訳じゃあねぇんだし、泣くのは雄介が助かってからでいいって思ってるからさ」 「はい! そうですね!」  そう裕実の方は笑顔で言うのだが次に言ってくる言葉に望は目を丸くするのだ。  望は裕実の瞳を見つめていると、

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