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ー雪山ー221

 二人が寝てしまった頃、雄介達を乗せたヘリは春坂病院に着いていた。  望は雄介の事を病院内へと運び終えると、すぐに手術の準備を始める。  昨日寝ていないのはどこに行ってしまったのであろうか。 昨日全然寝てないのが嘘みたいな表情になって望は雄介の手術を行う。  いったい、これで望は雄介の手術を何回行ったのであろう。 と思うものの望が行った手術の回数の方は案外少ないのかもしれない。 寧ろ入院回数の方が多いのであろう。  初めて望が雄介の手術をしたのは雄介が初めて望が働く病院に来た時だ。 二回目来た時には坂本と事件の話をしていて誤って包丁が刺さってしまったという事故だったのだが、そこは新人であった医師が治療し望はハラハラとしながら待っていた覚えがある。 三回目は飛行機でハイジャックがあった時だ。 それは望が働いている病院ではなく大阪の方にあった病院だったのだから望が雄介の事を治療するって事はなかった。  という事は、今日久々に望は雄介の手術がする事になる。  今はやはり変な気持ちなのであろう。 最初の頃は患者さんとして手術していたのに今は恋人という存在で特別な存在の人を手術するという事なのだから。  そんな色々な感情がある中で望は雄介の手術を終わらせる。  そして今日は雄介の目が覚めるまで雄介の病室で待っていた。  そうだ今日は特に望的には出勤しての手術ではないのだから雄介の手術が終わってからは自分の時間でもある。  だが雄介の方はまだまだ麻酔が覚めていないのか起きてくる様子はない。  病室内は心地よい気温に保たれている為、本当に気持ちがいい温度で今まで色々と疲れていた体や脳は疲れを取る為に寝ようとしているのであろう。  望の頭はコクリコクリとし始め望はそのままベッドサイドに頭を乗せ本格的に寝てしまっていた。  次、望が気付いた時には騒がしい声目が覚める。 「やっと、望、目が覚めたみたいだな……」

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