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ー波乱ー155

 現場は春坂病院から二キロメートル位離れている所だろうか。  今爆発があった現場は古い工場跡地のようだ。 その辺りは今の爆発で建物は全壊状態。 コンクリートで作られていた建物は粉々状態の状態だった。  その光景を見た裕二と和也は呆然と見てるしかない。  だが直後、和也は崩れている建物を見て絶望的とでも思ってしまったのであろう。 涙を流しながら、 「望ー!!」  と叫び声を上げる。  そして助けられなかった自分を責めるかのように思いっきり拳を握って地面を叩くのだ。  その時、雄介は今和也の姿に気付いたのか? それとも今の和也の叫びで気付いたのか分からないのだがオレンジ色の防護服を身にまとい和也の前へと現れる。 「ちょ、和也! 今のってどういう事やねん! 望が中に居るって言うんか!?」  雄介は和也の事を立たせると顔色までも変えて和也へと問い質すように聞く。 「雄介……?」  やっと和也の方も自分の目の前にいる人物が雄介だという事に気付いたのか、その瞬間、雄介の両腕を掴んで、 「とりあえず、訳は後で話す! 多分、いや絶対に望があの中に居るはずだから! だから、早く! 早く! 望の事を助けてやってくれよっ! もしかしたら……望は……もう……」 そう和也は何故かそこで言葉を切ってしまう和也。 いやその言葉を口にしたくないのと雄介には急に申し訳が立たないとでも思ったのかもしれない。 その瞬間、顔を俯けてしまっていた。 「はぁ!? 望があの中に!?」  まだ雄介の中ではあの中に望がいる事が信じられないのであろう。 だがその和也の言葉にその爆発現場を見つめる。  そして雄介の方は意を決したかのように和也から離れて雄介の仲間がいる中へと戻って行くと、どうやら救助の作戦を聞きに行ったようだ。  だがその時雄介の顔辺りに何か明るくて眩しい光りが雄介の瞳へと入ってきた。  雄介の方はその明るく眩しい光に目を眩ませる。  どうやら、その光は太陽の光を吸収し反射させているようだ。 「ちょっと、待ったー!」  雄介は急に大声で叫ぶと、これから作業をしようとしていた他のレスキュー隊員へと静止を求めるのだ。 「生存者がこの瓦礫の中に居るのかもしれへん……!」  例え、それが望じゃなくとも雄介の仕事はそういう仕事だ。  いや、こういう仕事をしているのだから誰でも助けるのが雄介の仕事だ。  雄介はその光が放たれている方へと走って向かう。 「そこに誰か居るんか?」

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