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ー波乱ー159

 きっと麻酔が切れてしまい、その腕に痛みが走ったのであろう。  とりあえず望は直ぐにナースコールを押す。  それで一番始めに駆け付けて来たのは和也と裕実だ。  目を覚ましてきっと望が見たかった人物は恋人の雄介なのであろうが雄介はきっと仕事でいないのであろう。 と諦めたような表情をすると、 「和也……痛み止め……」  そうぶっきらぼうに言う望。 「痛いのか?」 「当たり前だろっ! 痛っ!!」  和也のバカな質問にイライラとしたのであろうか? 望は大声を上げたのだが、どうやら今の大声で自分の体に響いてしまったらしい。 痛さで顔を歪める望。  それに気付いた和也は薬を持って来てくれたようだ。  その後に和也はフッと思い出した事があったのか、 「あ! 望!」  和也はそう言うと真剣な表情をして、 「暫くさ、俺達で、望の見張りする事にしたからな。 まだ、その……望の事をこんな目に合わせた犯人っていうのが捕まっていないんだ。  望のお父さんとも話してたんだけど、やっぱり、今回のこの事件は内部犯の可能性が高いって言ってたし、俺と裕実と望の親父さんで交代に望の事見張る事にしたからな」 「そっか……」  望からしてみたら、その提案は和也や裕実や雄介なら分かるのだが裕二もとなるとどうやら複雑な感じらしい。 「それと! 望の事守ってくれたお守りな!」  そう和也の方はニタニタとしながら、さっき救急車の中で望に託されたドッグタッグをポケットから出してくる。 「ここにしまっておくからな……鎖が無いんじゃ首には掛けられないだろうしな」 「ああ、まぁ……」  和也がベッド脇ににある引き出しの中に仕舞おうとした時、急に和也はわざとなのか大声をあげ、 「……って、これ? 雄介の名前が入ってんのかぁー!?」  そうふざけながら言う和也に対し望の方は顔を真っ赤にしながら、 「いいだろうがっ! それ、置いてけよっ! あー、あぁ!! 痛っ!」 「痛いんだったら、そう興奮なさるなって……」 「興奮させてくるのはどこのどいつだー!」  望は息を切らしながら仰向けになる。 「悪かったな。 とりあえず、今は寝るのが一番なんだからさ……もう、また、寝ろよ」  望はその和也の言葉にため息を吐くと、

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