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ー波乱ー162

「分かりました……ありがとうございます。 では、今度は梅沢さんの方に聞いてもよろしいでしょうか?」 「ちょっと待ってもらえませんか? 望に謝らなくてはならない事があるのでね」  和也はそう言うと望の前に座って、 「本当にゴメンな。 俺が昨日遅れて来なければ望がこんなことにならなくて済んだのにさ……いや、電話に出れていたなら、望の事、こんな目に合わせなくて済んだかもしれないんだけどよ。  言い訳になっちまうのかもしれねぇけど…… 昨日、望が電話した時、俺の携帯がさ……水に浸かっちまって、使えなくなっちまったんだよ。  そんな事してなかったら、もしかしたら、望がこんな目に遭ってなかったかもしれなかったって事だ。  本当にゴメン」 「いいや……気にすんなよ。 なっちまった事は悔やんでも仕方ないねぇ事なんだからさ。 それに、もし、和也がそんな事になってなくてもいずれはこうなる事になっていたんだからさ。 俺が誰かに狙われていたのは確かなんだからさ」  望はそういうと和也の方に笑顔を向ける。  だが、そのな望に和也の方は不思議そうな表情をしている。 そう望と裕二は似たような事を言っていたからだ。 とりあえず和也は望の方に笑顔を向けると、やっぱり望と裕二は親子なんだと思ったのかもしれない。 そして立ち上がると、 「とりあえず、望は言うように、警察っていうのは何かが起きないと動かないのは知っていた事だったので、僕たちだけで望の事を守ろうとしていたんです。 ですが、望の言う通りに一昨日まではなんにもなかった。 ですが、昨日は僕が丁度出勤して来た時にこの病院の駐車場に医者である新城颯斗さんが望の携帯を拾っていたんです。 その時、新城さんが話していたのは、『仕事が終わって、帰宅すしようとした時に、自分の車の前のこの携帯が落ちていた』と。 それを、僕は新城さんから受け取って、悪いと思いながらもその携帯は望の携帯だって思っていたので、中身の方を見させてもらいました所、やはり、その携帯は望のでした。 という事は、そんな事があったのだから、もしかしたら、望は誰かに拉致された可能性が高まったような気がして、一回、部屋の方に向かって望の事を探してみたのですが、いなくて、それからは、望のお父さんの所に行って、報告に行った所、院長室にあるパソコンに犯人から身代金の要求があったのです。 やはり、犯人の方も捕まりたくはない訳ですから、勿論、そのメールには『警察には連絡するな』という事が書かれていましたけどね。

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