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ー波乱ー163

 それから、僕達は院長と犯人の指示に従って、動いてたんですけどね。 そう、犯人から要求されていた金額というのは二億円でした。 ですが、それを分割して運ぶっていう事を僕達の方はしていたんです。 一回目の要求金額は五千万。 受け取る場所というのは夏見駅のコインロッカー。 次の場所は秋山駅のトイレの個室ででした。 それで、この秋山駅に向かう時にはもう時間が迫っていたので、バイクにしたんですけどね。 ですが、そこで、受け渡し時間に遅れてしまい、犯人が望を監禁している場所を爆発させてしまった訳なんです。 とりあえず、僕の話はここまでですかね? 後、気になった事といえば、僕達の部屋の前にある防犯カメラの位置がズラされていたという事でしょうか? いつもは廊下側を向いているカメラだったのですが、数日前からはその反対側を向いていて非常口側を向いていたという事が気になった点ですかね?」  白井の方はその和也の話で重要な部分だけをメモしているらしく、そこにいた警察官に指示を出しているようだ。 「そうだったんですか……では、ご協力ありがとうございました。 そのカメラのテープか何かってありますか?」 「それは、地下にあるモニター室の方にあると思いますよ」  裕二は白井にそう答える。 「まぁ、流石に犯人の方も自が写ってしまうようなミスはしないとは思いますけどね……ですが、念の為お願いいたします」 「構いません……」  そう裕二は白井を連れて地下にあるモニター室の方に行ってしまったようだ。  和也はひと息吐くと望のそばへと近寄る。 「しかし良かったなぁー。 助かって……」 「まぁ、雄介から貰ったドッグタッグのおかげなんだろうけどな」  そう嬉しそうに言う望。 「まぁ、確かに……しかし、よくあの瓦礫の中で助かったよな?」 「ん? 確かに左腕は挟まってしまったけど、上手いように体の方には瓦礫は乗ってなかったからな……コンクリートとコンクリートの間に居れたから助かったんじゃねぇのか? 流石に一瞬は意識は失っていたのかもしれねぇけど、気付いた時にはその隙間からオレンジ色の服が見えてたからな……それが雄介だったって訳だ。 でも、まだ、声を上手く出す事が出来なくて……何か雄介に知らせる事は出来ねぇのかな? って思った時に出てきたのはこのドッグタッグだったっていう訳さ……。 それで、この光りを太陽の光で反射させたって訳だ。 そしたら、雄介が俺の所に来てくれたんだよな……」

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