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ー波乱ー166
「勿論……入院している感患者さんの気持ちもそうなんだけどさぁ。 望の親父さんが言ってたんだよな。 望には素直な心を育てる事が出来なかった……ってな。 望ってそうだろ?」
「ま、確かに……そうだわぁ……せやから、機会があれば、望にその素直な心になれるようにとしようとしてるんやね」
「そういう事だ」
雄介は納得すると望の方へと視線を移す。
だが望の方は先程からあまり進んでないようにも思える。
「アカンやんか……あんなんでトイレに間に合うんかいな? 望の場合って、相当我慢してから言ってると思うしな」
「だろうな……結構、切羽詰まったような感じで言ってたしな。 ま、とりあえず今は望が声を上げるまでは俺達の方は待機で……」
「そういう訳で望の事、放置しとる訳なんだしな」
「そういう事……。 別に意地悪なんかでやってる訳じゃねぇんだからな」
「分かっとる」
だが、しばらくすると望は雄介の方に視線を向け真っ赤な顔で、
「もう……本当に我慢出来ねぇから……トイレに……」
「何?」
和也は望が何が言いたいのかがわかっているのにも関わらず、そう聞き返す。
「だから、トイレに連れてって! って言ってるんだろうが……」
その言葉を聞いて和也はため息を吐くと雄介の方に視線を向けて、
「望にはこれが限界か?」
「せやな……」
「じゃあ、雄介が連れて行ってやれよ。 俺は望の病室で待ってるからさ……」
「分かったわぁ……とりあえず、望の事、トイレに連れてってやるな。 それから、話聞くし」
「ああ……」
雄介は和也の返事を聴くと走って望の元へと向かい車椅子を押すと直ぐにトイレへと向かうのだ。
そしてトイレを済ませると雄介は再び望の車椅子を押し病室へと戻って来る。
「意外に早かったんだな……」
「なんやねんそれー、まさか、俺がトイレで望の事抱くんかと思うてたんか?」
「まぁ、抱くまでとは考えてはなかったけど……キス位はしてくるんだと思ってたんだけどな」
「あ、それ……めっちゃ忘れておったわぁ」
「そっちかよっ!」
そう和也は小さな声で突っ込むと、
「ま、いいや……とりあえず今は昨日の事話すしさ」
「ああ……」
雄介は望の事を抱き上げるとベッドの上へと乗せ自分は近くにあった椅子へと腰を下ろす。
「昨日はさ……俺が最初にミスした事がいけなかったんだよ。 朝、行く時に水溜りに携帯落としちまったからさ……それで、電源も入らなくてなっちまったし、それで、まったくもって望と連絡が出来なくなっちまったって事だったんだ」
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