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ー波乱ー167
「朝から、そないな事やってまってたんか?」
「まずはそっからなんだよなぁ。 そこで、携帯を水没させてなかったら!? って思うと……」
和也の方はまだそこの部分を悔やんでいるようだ。
「ま、そこはもう気にせんでええんとちゃうの? とりあえず、望は生きておったんやしな」
「そうだけどー! もし、あの爆発事故で望が死んでしまっていたら!? って思うとさ……」
「でも今は生きておるんやから、ええんやないの? 俺とお前で連携プレイが出来たんやし」
そう雄介は和也に向けて笑顔を向ける。
「あ、ああ……うん! そうなんだよな……ありがとう……雄介。 みんながそう言ってくれるお陰で、なんだか気分が楽になってきた気がしてきたからな。 やっぱ、友達っていうのはいいもんなんだな」
和也は今回の事でみんなにフォローとかをしてもらえて元気も感動ももらったのであろう。
普段、あまり泣く事がない和也なのだが、望や雄介から視線を外して顔を俯けてしまう。
昔、和也は雄介の事があまり好きじゃなかった。 そう本当に好きだった望を恋人として取られてしまったからだ。 でも今はあの時、和也は望と付き合ってなくて良かったとさえ思えて来ているであろう。 これだけ雄介がフォローしてくれているのだから。
望は雄介といる時というのは相変わらず素直ではないのだけど幸せそうな表情をしているからだ。 そして今の望と和也は友達という関係をずっと保っているのだからそれはそれでいいのであろう。 無理に他人の心を奪ったとしてもそれは嘘偽りだからけの恋人にしかならない。
「ま、いいか……」
そう和也は納得すると望達の方へと視線を向けて、いつもと変わらない笑顔見せる。
「今さぁ、雄介と話してたんだけど……お前、携帯大丈夫なのか?」
それを言われて和也は急に大声を上げる。
「あー! 忘れてたー!」
「それって、凄い忘れ方だよな?」
そう笑いながら言う望に対して和也の方は目を丸くしていた。
「へ? 何でだよ……」
「だってさぁ、お前、昨日から、携帯について話してんのに、忘れてるって……相当なもんだろ?」
「まぁー、しょうがないだろ? 昨日から携帯開く暇なんかなかったし、忘れてたんだからな。 しかし、望の携帯はいいよなぁ、防水用携帯なんだろ? あの雨の中でも携帯死んでなかったんだからさぁ」
「あー! ところで、俺の携帯は!?」
「院長んとこ……」
「はぁー!? ちょ、それは流石にまずいって! 親父になんかに携帯の中見られたらー!」
急にそう慌てたように言う望。
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