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ー波乱ー168
「望……俺は望の携帯の中身見ちまったんだけどいいのか?」
そう和也が言った直後、望は和也の事を一瞬睨みあげる。
その望の反応に一瞬体を固まらせる和也。 だけど、次の瞬間には、
「だってさぁ、そこは仕方ないじゃんか、中身の方を見ないと誰のなんだか分からなかった訳だしさ」
和也は望に宥めるかのように言うと、
「とりあえず、親父のとこに行って、和也……俺の携帯取って来てくれねぇかな?」
「まぁ、それくらいなら構わないんだけどな」
和也はそう言うと席を立って病室を出て行く。
それと同時に望はため息漏らすのだ。
「なぁ、雄介……昨日の話はもういいよな?」
そう望は雄介の事を真っ直ぐな瞳で見つめると雄介の方は望が何が言いたいのかが分かったのであろう。 頭を頷かせ望の事を抱き締める。
「ホンマ……無事で良かったわぁ」
「お前がくれたドッグタッグのおかげだからさ。 もし、これがなかったら、俺は今頃あの瓦礫の中に埋もれていて助けさえも呼べなかったかもしれないんだしな」
「でも、今回はたまたまやで……俺がそれを買ったのもな。 望が生きてるっていう証拠を残したっていうのもな……偶然っていうんか? 奇跡とでもいうんかな?」
「まぁな……その偶然というものが今回は助かったんだろ?」
「せやな……ホンマ、助かったみたいで良かったわぁ」
雄介はそう言うと更に腕の力を込めて望の存在を確かめるかのように触り先ずは額にキスを落とすと頰や唇にもキスをする。
「ん……」
そう望は甘い吐息を漏らすと色っぽい顔で雄介の事を見上げる。
思わず望と目が合ってしまった雄介の方はその色っぽさに負けてしまったようで、
「望……ホンマ、この場でええんか?」
その雄介の言葉に頷かせる望。
望から雄介の事を誘うなんて事は滅多にある事ではない。
そして雄介は誘ってきているような唇にもう一度キスをしようとしたとき望の病室のドアが開いて、
「望ー! 院長から携帯預かって来たぜー」
と和也は笑顔で入ってくる。
それに気付いた雄介と望はドアの方へと視線を向けて望は和也の事を睨みあげるのだ。
「もしかして……お邪魔様でした?」
「思いっきり、邪魔なんだよ……しかも、俺の方はわざと和也に親父の所に行かせたのにさ……その意味分からなかったのか!?」
その望の言葉に和也と雄介は目を丸くするのだ。
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