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ー海上ー51
車の中へと残された二人。 先に声を掛けたのは裕実の方だ。
裕実の方は望の方に体を向けると、
「望さんが機嫌が悪いのって和也のせいですよね? また、和也とでも喧嘩したんですか? それとも、また和也が望さんに言ってはいけないような事を言ったのでしょうか?」
「後者の方だな……」
「やっぱり」
裕実は望にそれを聞いた途端、呆れたように顔を俯ける。
「確かに和也って、言い方は悪いですけど、いい人ですよ!」
「それは知ってるさぁ。 俺の方ももう和也とは友達と付き合い始めて長いからな。 アイツはただのアホじゃないって事もわかってる。 そこは計算済みって所なのかな? だから、なんかムカつくんだよなぁ、まぁ、いい意味でだけどさ……正確には羨ましいっていうのかな? 何かに縛られずに自由に生きてるって感じがするしよ」
「本当ですね……確かに和也の生き方って羨ましく感じますよね。 言いたいことははっきりと言えて、心配してくれる所はちゃんと心配してくれて、僕は和也と付き合う事が出来て良かったとさえ思っていますよ。 僕には雄介さんは何だか不釣り合いな感じがしますしね。 本当に好きだからこそ、楽しく一緒に居られる事が出来るんですからね。 望さんも雄介さんと一緒にいる時間っていうのは楽しいんでしょう?」
「当たり前じゃねぇか……」
望の方はその裕実の言葉に顔も赤くせず答えるのだが、どうしてなんだか和也と雄介の前では顔を赤くしてしまう。
「ですよねぇ」
裕実はクスリとすると前へと視線を戻す。
それとほぼ同時に和也の方が帰ってきたらしく、
「和也が戻って来たみたいですよ」
「ああ」
和也の方は口笛でも吹きながら帰って来たのか唇をとんがらせながら帰って来たようだ。
「お待たせー!」
和也の方はそうドアを開けながらそう言うと後部座席の方へと荷物を置く。
「今日の夕飯は何にしたんですか?」
「ん? 焼肉ー!」
そう満面な笑顔で言う和也。
「本当、お前は焼肉好きだよな?」
「栄養は付けられる時に付けておかないとだろ? それに、今日は……」
和也はそこまで言うと笑顔で含み笑いをしているようだ。
その和也の行動に望の方は呆れたような表情をしていた。 一方なにも聞かされていない裕実の方は二人の話に付いて行ってないのか目をパチクリさせながら何が何だか分からないといった感じなんだろう。
「和也ー、お前は楽しみにしているのかもしれねぇけど……俺はそこを使うのを許した覚えはねぇぜ」
そう望は和也に向かって言うのだ。
「はぁ!? 嘘だろー!? な、なー! 望ー! 今日は頼むからあの部屋使わせてくんねぇか?」
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