1028 / 2160
ー海上ー52
そう和也は望の方に向いて手まで合わせてお願いしているようだ。
「どうすっかな?」
いつもとは違い今日の望は和也より優位な立場にいる訳で、だからなのか望にしては珍しく余裕そうな表情を和也へと見せている。
その会話について行けてないのは裕実の方だ。
そう全くもって裕実の中では和也と望が話している会話が分からないからなのかもしれない。
望の方はそんな和也に笑いが耐えきれなくなってきたのかお腹を抱えながらも笑い始める。
「お前の顔おっかしいの! マジに真面目な顔して言ってるんだもんなぁ」
「はぁい!? 一体、どういう事なんだよー!」
「分からないのか? たまにはお前の事を騙してやろうって思ってさ……ダメって言っただけなんだよ」
和也はそんな望にため息を吐くと、
「まったく、そういう事かよー」
和也の方は安心したような表情をし運転席の方へと寄り掛かる。
その直後、裕実の方は和也の腕を掴み、
「今、望さんと和也が話していた事ってなんなんですか?」
「ん? それは、望の家に行ってからのお楽しみー」
和也はそう言うと今度はウキウキ気分で車を望の家へと向けて走らせる。
和也は言わないと決めたら言わないタイプなのは知っている。 だから後部座席に座っている望に向かって笑顔で望へと聞いてみることにしたらしい。
「望さん! 今の話って一体どういう事なんですか?」
「んー……それは、和也に聞いてくれよー。 俺の口からは恥ずかしくて言えないような事だからさ」
ここまで言えば分かるだろ? とい顔をする望。 そして、もうこれ以上は何も喋らないという感じなんだろうか? 腕を組んで下へと顔を向ける。
「じゃあ、和也!」
「言わないに決まってるだろー! お楽しみなんだからよ」
「じゃあ、ヒントみたいなものは?」
「今、望が言ってたじゃねぇか……望が恥ずかしくて言えないような事だってな」
「望さんが恥ずかしくて言えないような事ですか?」
裕実はその言葉に腕を組んで考え始める。
「……って、事は和也だったら言える事なんですかね?」
「ああ、俺の方は全然簡単に言える事ではあるんだけどな」
「じゃあ、雄介さんは?」
「雄介の方も言えるんじゃねぇのかな? な、望……」
「ああ、そうだな……雄介なら言える言葉だな」
「それじゃあ、想像出来ませんよー! もっと、ヒント下さい!」
「んー……これ以上のヒントっていうのは逆に難しいんだよなぁ」
ともだちにシェアしよう!

