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ー海上ー53
そんな事を繰り返していると、いつのまにか望と雄介の家へと到着したようだ。
「もー、着いちゃったんですか?」
「まぁ、望の家っていうのは、まぁ、そんなの病院から離れてないからな」
そう話ながら三人は車から降りていく。
そして望の方は黙ったまま玄関の鍵を開けると、その後に続いて裕実も和也も入って行くのだ。
「お邪魔します」
そう裕実の方は辺りを見渡しながら部屋の中へと入って来た。
「お前……何を警戒してるんだ?」
「和也と望さんの会話から推測すると、何かこう怪しいもんがあるんじゃないかと思いましてね」
その裕実の言葉に吹き出す和也。
「いきなりそんなもんがある訳ねぇだろ?」
「確かに望さんと和也に関しては分かっているのかもしれませんが、僕からしてみたら初めて来る所ですよー。 そりゃ、そういう話を聞いてるんですから警戒するに決まってるじゃないですかー!」
「え? 何か家に仕掛けでもあるかと思っているのか?」
「あると思ってます!」
そう真剣に答える裕実。
「無いに決まってるだろ忍者屋敷とかからくり屋敷じゃないんだからよ。 まぁ、近いもんはあるのかもしれねぇけど……」
そう最後の方はボソボソと答える和也。
二人は話しながら望の後に付いてリビングへと向かったのだが望の方は相変わらず不機嫌なのかテレビを点けると一人テレビ画面を見上げている。 そして後から入って来た和也の裕実もリビングへと通じるドアを入って来るとそのテレビの音が耳に入って来た。
「とりあえず飯な。 望……この鉄板使っていいか?」
「ああ、構わない……」
そう一応は反応してくれている望なのだが不機嫌なのは変わってないようだ。
和也は流石にため息を漏らす。 そして和也は裕実に向かって裕実に何かを伝えると、
「分かりました! 自信はありませんが頑張ってみますね!」
「ああ、頼むな……今の望の機嫌をなおせるのはお前しかいないんだろうしさ」
和也はそう言うと裕実の為に食事を作り始める。
一方、裕実の方は望の機嫌をなおすために望が座っているソファへと向かうのだ。
「望さん……」
そう笑顔で話しかける裕実。
「何を見ているんですか?」
そう裕実の方はそう望に質問すると、ひょいっとテレビ画面の方へと視線を向けて、その番組を確認すると何故だかクスリをしてしまっている。
「望さんってこういう番組が好きだったんですか? 僕からしてみたら意外だなーって思ったんですけどー」
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