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ー海上ー75
「あー、もー! 戻るぞ! 人の方もまばらになってきちまったし、夕方になってきちまったしよ」
そう望の方は照れているのを隠しながら言うのだが確かに望の言う通り浜辺には先程までいた人々がかなり減っているようだ。 そして今の時間位になってくるとそこにいるのはカップルだけになってきた。
太陽の方も一日の仕事を終えて間も無く水平線へと沈もうとしている。
昼間とは違い青い空からオレンジ色の空へと変わって来ている太陽。
「なんだよー! 俺ってば、せっかく海に来たのによ……全然泳げてねーじゃんか!」
「なら、今から海に入るか? 入って来てもいいんだぞ」
「……ったく。 もう、明日でいいって」
和也の方はそう言うと望や雄介が片付け始めていたのを手伝い始める。
そして水平線に沈んで行く太陽を背にし旅館の方へと帰宅していく四人。
丁度、四人が旅館へと到着するともうそこには料理の方が用意されていた。
海の近くの旅館だけあるのであろうか? そこには海鮮料理が並んでいる。
「流石は海の近くにある旅館やなぁ? 刺身とかってめった美味そうやんか」
一先ず四人は部屋内にありシャワーを軽く浴びて私服へと着替えるとテーブルへと座る。
「まぁ、そうだよな」
そして望の方は急に思い出したかのように手をポンと叩くのだ。
「何? どうしたん?」
「あのさぁ、久しぶりに雄介に会えたから言うんだけど、俺と和也方は来週の水曜日から一週間、親父に言われて、アメリカの方に研修に行って来ないとならなくなったんだよな」
「和也と二人でか!?」
「そこは仕方ねぇだろ? 俺等はコンビで動いてるんだからさ」
「あー、そういう事かいな。 医者ってホンマに大変なんやねぇ」
「また、親父のイタズラだったりしてな」
望の方はふざけて言ったつもりだったのだが、
「それがホンマやったらそこは堪忍してぇなっていう所やんな」
「なんでだよー」
「雄介……俺ならもう望には手を出す気はねーぞ……」
「そこんところは分かってねんけど……ま、あー、まぁ……色々不安な所はあんねんけど……気ぃつけて行って来てな」
そう雄介は笑顔で言うのだが何故か納得いかないような表情をしている。
「何がそんなに不安なんだよ」
「色々とや、色々とな……」
「その色々っていうのは何だって聞いてんだけど……」
「乗り物の事故とか日本人を狙った事件とかなぁ」
「確かにそうなんだけどさ、俺達の方は勉強をしにアメリカに行くんだぜ。 そうしないとこれから何の病気が流行るのか? っていうのがわからないだろ? それに、アメリカの方が医療関係は進んでるんだから、勉強してきた方がいいに決まってるしさ」
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