1367 / 2160

ー過去ー100

  久しぶりの関西弁に望はそのメールを見て笑顔になる。  たった一日会えてないだけで懐かしく感じるのは気のせいなのであろうか。  いや普通の恋人でもメールをする時間は少ないのかもしれないのだが、望と雄介の場合には丸一日本当にメールとかしている時間なんか無いに等しいのだから、そう感じるのは当たり前なのかもしれない。 「待ってるかぁ……」  その雄介のメールの内容にため息を吐き背もたれに寄り掛かってしまう望。 「『待ってる……』じゃなくて、迎えに行くって訳じゃねぇけど、会いに来てくれてもいいんじゃねぇのか? もし、雄介も俺と同じ考えをしてるならさ」  望はそう一人車の中でボヤいていると、突然、誰かに助手席側の窓をノックされ望は顔を上げるのだ。  そこには警察官が立っていて、それに気付いた望はゆっくりと窓を開ける。 「只今、検問中でして……」  その警官の言葉に一人納得する望。  確かにこの道というのはいつもは混んでない。 だが昨日に引き続き今日も混んでいたのだから疑問に思っていた所だ。  そう昨日は事故渋滞で引っかかっていたのだが、今日はどうやら検問渋滞で引っかかっていたらしい。 「何の検問ですか?」 「飲酒ですよ。 息だけ吐いてもらえますか?」  その警察官の言葉に望は息を吐く。 「大丈夫ですね。 ありがとうございます」  それだけを言うと警察官は望の車から去って行った。 「まったく! こんな日に飲酒検問やらなくてもいいじゃねぇかよ!」  そう車内に響き渡るような声を上げる望。  それからは先程よりかはスムーズに車は動くようにはなったのだが、まだ家の近所すらにも入ってはいない。 それに息を吐いて背筋を伸ばしていると再び窓をノックする音が聞こえてくる。 望は窓の外へと視線を向けると、そこには今まで望が思いもしてなかった人物が立っていた。 「よ! 渋滞に引っかかってるって聞いたしな……迎えに来てもうたんや」 「……え? 雄介?」  どうやら望は未だに現実を受け入れられてないようでパニック状態なのかもしれない。 「とりあえず、ドア開けてくれへんか?」 「あ、ああ……おう……あ、ああ……そうだったな」  望はドアのロックを外すと雄介は、そのまま望の車の助手席へと座って来る。 「我慢出来へんかったんや。 いつもより遅くなるって言ってたしなぁ。 もしかしたら、今から出たら間に合うかもしれへんって思うて来てみたら、まだ、渋滞に引っかかっておったって訳やな」 「そっか……」

ともだちにシェアしよう!