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ー過去ー103

「ホンマに!? めっちゃ、望はええ子やったんやなぁ。 俺なんかはしょっちゅう親に怒られっぱなしやったわぁ。 泥まみれになって帰って来ては怒られて、友達と遊びすぎて八時に帰って来ては怒られてー、ほんで、謝るの繰り返し。 まぁ、謝っても反省して来ぉへんかったから毎回怒られとったんやけどな」  そう昔の話だから笑えるのかもしれない。 「ま、望に素直になれっていうのは二の次で……とりあえず、喧嘩とかしたら謝るって思った方がええのかもしれへんなぁ? ってか、望は和也の事嫌いなんか?」 「いや……嫌いじゃないな。 何か分かねぇけど、アイツと話とかしてるとホッとするっていうのかな?」 「嫌いじゃないんやったら余計に謝った方がええんと違う? 和也と喧嘩したままやったら仕事に支障が出るんと違うの?」  その雄介の言葉に望は何かを思い出したのか、急に顔を上げると、 「今さ……ある事情で和也と俺とでは仕事してねぇんだよ。 今、俺は裕実と仕事してんだけどさぁ」 「何で? どないしたん? いつの間に和也と裕実が交代したん? へ? ホンマなにがあったんや?」 「実はさ……」  望は昨日の朝の出来事から今日までの話を雄介に話し始める。 「あー! そういう事やったんかぁ。 ってか、流石に和也と裕実の事をいきなり交代させるのはあまりにも不自然やろなぁ。 新城の事やからやっぱそこは勘付いているんと違う? まぁ、和也と和也の元恋人さんが昔付き合ってたっていう事を気付かなくてもや。 まぁ、少なくとも何かある? 位にはなるやろなぁ」 「だよな。 それで和也が本宮くんと新城の間に入ったら、新城の事だから逆に気付くかもしれねぇしな」 「完全に気がつく前に何かこう手を打っておかんと……ってとこやな。 しかし、俺がいない間にそないな事が起こっておったんか」 「まぁな。 一日って短いようで長いよな?」 「せやな……。 たった一日でそないな事が起こってまうんやもんなぁ」 「ああ……。 でも、和也と裕実っていいよなぁ。 同じ仕事場で働けてるんだもんよ。 確かに離れて仕事はしているけど、一日最低でも一回は仕事場で会える訳だし、こう心配しなくてもいい感じだしよ」  その望の言葉に少し黙っていた雄介なのだが、 「な、今のって……? 本音なんか?」

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