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ー過去ー105

 雄介は答えが出るまで、微笑みながら待っていた。 「簡単な事やろ?」 「なら、お前は簡単の言えるのかよ」 「ああ、むっちゃ簡単やん。 人を助ける事よりも簡単な事やで。 俺はな、ホンマに望の事好きやと思うとる」  そう簡単に自分の気持ちを言う雄介なのだが、やはり望の方は、まだそう簡単には言えないようだ。 「ええよ……ゆっくりで……。 俺はその望の答えが出るまで待っとるからな」  望は暫くして答えが出たのであろうか。 未だに顔を俯けたままだったのだが、僅かにこう口を動かし始めてきているのだから。 「ぁ……その……俺は……」  きっと今の望というのは心臓が口から出てきそうな位波打っているのかもしれない。 「俺も……雄介と同じ気持ちだからさ……」  その望の答えに雄介は、 「それやと、まだ八十点位やな……。 今の俺なら、百点満点で分かんねんけど、昔の俺やったら八十点位にしか気持ちが伝わってへんと思うし。 まぁ、真剣な目されて、そないな事言われたらめっちゃ今の俺的には嬉しいねんけどな。 せやけど、望は素直な性格になりたいんやろ? それなら、たった二文字入れるだけで百点になれるんやけどなぁ」 「あ、そうか……そうだったな……悪い。 まだ、そこは俺には出来ねぇのかも」 「ええって……いきなり、俺がそないな質問したのがいけなかったやしな。 ちょっとずつって言うたのに『好き』を言えって言うたのは、流石に無理あったよな」  望が上手く言えなかったのにも関わらず、こう雄介が悪かったと言っているようだ。 「でも、雄介……ありがとうな……こんなつまらない事に付き合わせちまって……こういう事って普通本当は小さい頃に親達から教わるもんなんだよな?」 「性格の方は違うやろ? 望の場合にはそれに気付いて直そうとしているのやから、そこは俺が教えたるし。 ま、そこは少しずつ直そうや」  雄介は望の肩を軽く叩くと食べ終えた食器を流しへと、持って行きお皿を洗い始める。  だが望の方は未だにテーブルで顔を俯かせてしまっていた。  リビング中に水音が響く中、今まで顔を俯けていた望が急に顔を上げ、 「ゆ、雄介……」 「ん? 何!?」 「今日さ……」  望はそこまで言うと再び頭を俯かせてしまい、

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