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ー天使ー25
そう望は言いにくそうに答えるのだ。
「何がだよ……。 それじゃ、答えになってねぇんだけど?」
「あのさぁ、ここまで言えば少しは分かるだろ?」
「分からねぇから、聞いてんだよ」
和也はその答えに溜め息を吐くと、
「ま、今はとりあえず、琉斗が居るからさ……後で話すよ」
望の場合、きっと何とかその場を切り抜けようとしていたのだが、和也は琉斗の傍へと近寄り、
「なぁ、琉斗……俺と裕実が一緒に居る訳を教えてやってもいいぞー」
和也からその言葉を聞いて琉斗は目を輝かせながら和也のことを見上げる。
その和也と琉斗とのやりとりに望は溜め息を吐くのだ。 きっと望は和也のことを止めるのを諦めたのであろう。
望は止めることを諦めたのだが、その姿を見ていた裕実がズカズカと和也の前へと現れ、
「子供に向かって、僕達のことを話さなくてもいいんじゃないんでしょうか? 子供に対して悪影響だと和也は思わないんですかね?」
そう怒った口調で言う裕実。
「……ったく」
そう言ってくる裕実に対し、和也は溜め息を吐き、
「さっきからさぁ、お前、いつも以上に俺につっかかって来てるみたいだけど、なんなんだよ! 今日のお前の態度っていうのはさあ! 久しぶりに俺はお前に対してムカついてるんだけど……」
「別に……意味はないですよ」
「意味が無いってことはねぇだろ? 意味があるからこそ何かに対して怒ってるんだろうからな。 なら、意味無しに怒る必要はねぇ訳だしな。 何か俺に対して言いたいことがあるんだろ? 恋人同士なんだから、言いたいことがあれば言えばいいじゃねぇかよ。 俺は前に隠し事が嫌いって言っただろうが……」
最初、和也はウジウジしている裕実に対しイライラとしていたのだが、段々と今の裕実の心理が分かってきたのか和也は裕実の身になってみたようだ。
今まで怒っていた裕実の方も今の和也の言葉で何かを感じとったのであろう。 裕実は和也のことを見上げると瞳を潤ませ、
「ごめんなさい……和也があまりにも琉斗君のこてを構い過ぎていたから、和也は僕なんかより、琉斗君の方が好きなんだと勘違いしてたんです」
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