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ー信頼ー51

「とりあえず、診療所の方を案内するなぁ。 先ず今いる所というのは、待合室なー! 診てもらう前に待っててもらうとこー。 もし、ここに来る事になったら、先ずはここで待っておったなぁ、ほんで、順番が来たら俺が診るからな」  待合室というのは五人位座れるソファがあって、子供が遊べるようなちょっとしたスペースがある。 畳にして四畳位だろうか。 そこにはぬいぐるみや絵本や玩具等が置いてあるのだ。 ただ未だにここに訪れる患者さんはいないのだから、まだ真新しいまま絵本等が本棚に飾ってあるだけだ。  勿論この提案をしたのは雄介だ。 春坂病院にも小児科の前のスペースにはちょっとしたこういうスペースがあったのと、やはり子供達の病院の印象というのはあまりいいイメージが無いのだから、気持ち的にもこうやって遊べるスペースがあるというのは違うのかもしれない。  そして次に雄介が案内したのは雄介の診察室だ。 一応、雄介側の診察室というのは小児科がメインという事もあって、そこには大きなクマのぬいぐるみが置いてあって、更に子供達が喜ぶような空間になっていた。 要は病院っていうイメージではない工夫をしているのかもしれない。 子供達にとって病院という所はあまりいい所っていう感じではないのだから、いかにその嫌なイメージを無くす為にも工夫して来たという事だろう。 その他にも雄介側の診療スペースにはテレビが置いてあって、そこにはアニメが流れるようになっていた。 そして雄介とは反対側にある望の方の診療スペースというのは、望が相手するのは大人メインなのだから本当にシンプルで逆に何も無いのかもしれない。 そうごくごく普通で清潔感のある診察室という事だ。  雄介は子供達に診療所内を案内すると、待合室へと戻って来て、 「まぁ、診療所っていうのはこんな所かな? ほな、次はちびっ子消防団の方やんなぁ。 みんなココに座って……」  雄介は待合室にある四畳位のスペースに子供達を集めると座らせる。 「ま、とりあえず、ちびっ子消防団としての目標っていうのは、この島から火事を出さない事でええか? その為にはどうしたらええと思う?」 「んー、そこはテレビで見た事があるんだけど……毎晩、見回りをする!」 「ええねぇ。 ほな、見回りの他に何かあるか?」 「あ! ポスターとか作るのもいいんじゃない?」 「ポスターなぁ。 そしたら、みんなも注意するようになるんやろうし、それもええなぁ。 みんなそれぞれ自由に描いて島中に貼ったらええんと違うかな? ほな、他に何かあるか?」

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