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ー信頼ー86

「ホンマ、アイツって、そこが凄いわぁ。 そんで、真面目な所は真面目で遊ぶ所は遊ぶって感じなんたもんな」 「ん? まぁな……」  望は雄介にそう答えると、今度は裕実の方へと顔を向け、 「あのさ、裕実はその……和也と一緒に居るつもりなのか?」  その望の突拍子もない質問に目を丸くする二人。  だってそうだろう。 明らかに望も場合にはこの今の空気とは全く違う事を言ってしまっているのだから。 本当にそういうところでは望は話し下手なのであろう。 「俺達の方っていうのは、昨日の夜話をしてて、ずっと一緒に居るって事になったんだけどな。 ほら、本当にそういう事を聞かずにこの島に来ちまっただろ? だから、なんていうのか、俺達の親子の勝手な夢みたいなのに付き合わせたっていう感じになっちまったじゃないか……だからさ、今更ではあるんだけど、本当にそれでいいのかな? って思ってよ。 ほら、やっぱり、女性と結婚して幸せな家庭を築いたりっていう夢みたいなのがあるんだったら、俺達の夢に付き合わせてゴメンっていうのかな?」 「大丈夫ですよ! 僕は特に和也と一緒に居たいと思っていますからー。 ただ、和也的にどう思っているか? っていうのは分からないですけどね」 「ぅん……まぁ、今は裕実の事を聞きたかったからいいんだけどさ。 和也の方には後で聞いてみるよ。 しかし、よく考えてみたら、この島での生活っていうのは、俺達家族の為にお前達の事、巻き込んだ感じになっちまったんだよな。 確かに、ここに来る前に和也とかには聞いたけどさ、その将来の事を全く考えてなかったっていうのか……。 もし、どちらかが喧嘩して別れるようになっちまったら、診療所の方も成り立たなくなっちまうんだろうし、今だって本当にギリギリの人数でやってるって感じなんだしな」 「確かに、そこまで考えてなかったわぁ。 せやけど、ここまで来てもうたら、頑張るしかないやろー! それに、望の親父さんがわざわざ俺達の為にってこの診療所を作ってくれたんやで、それこそ、途中で諦めたら面目が立たないわぁ。 それに、俺の方は望の親父さんにはホンマ頭上がらんしなぁ。 医学部の学費も出してもらった訳やし」 「そうですよ! 雄介さんの言う通りです! 例えば、僕達が別れてしまったとしても、この診療所はやっていかないといけないんだと思いますからね。 望さんのお父様は望さんの為に、この診療所を作って下さったんだと思いますしね。 だから、心配しないで下さいね。 僕達はこのまま望さんに付いて行きますからっ!」

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