2043 / 2160
ー信頼ー98
そう雄介は独り言を漏らすと、まだ家のリビングで居るであろう裕実と和也の元へと急ぐのだ。
「ちょ、和也達ー! ゆっくりしとる場合じゃないで!」
そう慌てながら言ってくる雄介に雄介が何を言いたいのかが分からず、和也達は雄介の事を見上げる。
「どうしたんだよー。 そんなに息まで切らしてさぁ。 何かあったのか?」
「いやいやいやいや……これが慌てずに居られるかっちゅうねん! とりあえず、ホンマに急いでって!」
「ってかさ、さっきから何を言ってるのか? っていうのが意味分からなねぇんだけど……。 だから、何でそんなに急がなきゃなんねぇんだ?」
「あー、だからやなぁ?」
雄介はそこでやっと息を整えると、
「今まで診療所の方に患者さんがあんま来ておらんかったのに、今日は数人位、来ておるんやって? せやから、急いで受付しないとアカンやろって!」
「……へ? 患者さん?」
その和也の言葉に雄介は頭を二回程頷かせるのだ。
和也と裕実は一瞬視線を合わせると、目をパチクリとさせ、
「それなら、急がねぇとじゃねぇ!」
和也が今の時間を確認すると、既に八時半を回っていた。
「やっべーじゃん! 診療所が開く時間っていうのは九時だろ? 流石に初めて来た患者さんを待たせる訳には行かないしさぁ。 裕実! 急いで着替えて行くぞ!」
「はい!」
そして二人は着替えると急いで診療所の方へと向かうのだ。
島の診療所を開いて約二週間。 今まで誰一人として診療所に来る人というのは全然無かったのだが、やっと診療所に患者さんを迎える事が出来たようだ。
流石にまだ沢山ではないのだが、来てくれた患者さん達には望も雄介も丁寧に診察し、島の人達に好印象を与える事が出来ただろう。
四人は昼休みになると家の方に戻って来る。
「とりあえず、今日は俺達が飯作るな」
そう言うと和也はキッチンへと立つのだ。
雄介はテーブルに着くと息を吐きながら、机の上へとウッ潰すのだ。
「今日、久々に患者さんの事を診たからめちゃくちゃ緊張したわぁ」
「まぁ、それに初めての人だったから余計になのかもしれねぇよな」
「そうなのかもしれへんよね。 それに、初めて来てくれたんやから、診療所はいい所だって思わせなきゃならんかったしな。 ほら、印象とかが悪かったら、二度と来てくれないようになってまうんやろうしー」
ともだちにシェアしよう!

