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ー信頼ー108

 和也はそう言うと今度は望の方に向かい、 「とりあえず、俺は診療所に行って、毛布とか温かいお茶とかって持って来るから、望達に後は任せるな」 「ああ、分かってる……」 「とりあえずさぁ、後、毛布とかってどれ位あるの? 後、どれ位、陸に人が上がって来るか? って言うのは分からないからさ、毛布が沢山必要だと思うんだけどな」 「ああ、分かった! 災害用の毛布を借りて来る事にするよ! とりあえず、歩夢は空いてんだろ? そこにはさ、望と朔望がいれば大丈夫だと思うから、手伝ってくれねぇ?」 「うん! 分かった! そうだね、確かにここに兄さん達が居れば大丈夫そうだしね」  そう歩夢は言うと、和也と裕実と歩夢三人で診療所の方へと向かうのだった。  その間にも雨雲がこの島上空に広がりつつあるようだ。 「そろそろヤバいみたいだね。 天気予報では今日の夜にこの島に接近するとは言ってたんだけど……。 このままだと夕方にはもう雨も風も強くなってきそうなんだけどな」 「そうだな……」 「ん……船以外で助ける方法みたいなのはないのかな? 後は海上保安庁がヘリとか出してくれればいいんだけど……」 「……海上保安庁!? そうか! 海保も来てくれる筈だよな。 寧ろ、雄介が行かなくても良かったんじゃねぇのか?」 「ただ、船を出してくれるのか? っていうのが問題なんだよね。 確かに海保っていうのは海での遭難事故や船の転覆事故に救助しに来てくれるもんなんだけど、やっぱり、隊員の命も守っていかなきゃいけないもんだから、こんなに海が荒れてたんでは海保も動けないんじゃないのかな?」 「だけど、海保は海難のプロだろ? なら、こういう事っていうのも想定内なんじゃねぇの?」 「ん……まぁ、想定内なんだと思うけど……。 本土からここまで船で約五時間。 ヘリでならそんなに時間は掛からないと思うんだけど、今日の天候だとヘリは飛ばす事も出来ないんじゃないのかな? あ、もしかして、フェリーだったから五時間も掛かるけど、海保の船だったら五時間も掛からないで来れるのかな? まぁ、この島の船一隻で、事故現場から往復どれ位掛かるのか? 十分位だとしても一回で運べる人数っていうのは限られている訳でしょう……だから、夕方までに全員の事を島まで運ぶのは可能なのかな? って所が心配な所だよね」 「まぁ、そうだな」

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