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ー信頼ー124
「ボッーと考え事をしているのは分かるんだけどさ、この暑さだと熱中症でぶっ倒れる可能性があるから、水分だけは補給してけよ。 とりあえず、ここは岩場の影になってるから、多少は暑さはしのげているのかもしれねぇけどさ。 毎年、毎年、熱中症の患者さんっていうのは増え続けてるんだから、俺達、医療関係者がなっちゃったんじゃ洒落になんねぇだろ?」
「あ、ああ……そうだな」
「自分の体は自分で管理出来るだろ? もし、危ないと思ったら、診療所の方に戻るからな」
「あ、ああ……うん、それ位は自分で分かるからさ」
その望の言葉に和也は安心したような笑みを漏らす。
「雄介は大丈夫だって! 絶対に帰って来るからさ。 だって、今まで何があっても雄介は助かって来たんだろ?」
「ああ、まぁな……」
「なら、今回だって大丈夫だって! いきなり、ひょっこり現れて、望に向かって、あのいつもの笑顔を見せてくれるさぁ。 きっと、雄介は強運の持ち主なのか? それとも、望に対しての愛のパワーっていうやつで戻って来るんだと思うしな」
その最後の方はふざけたように言う和也に裕実が突っ込みを入れるのだ。
「ちょっとー! 和也ー、本当にたまにくさい事言いますよねぇ」
「そうかー? 今のくさかったのか?」
そうふざけながら話している二人の間に望も入り、
「本当だぜー、和也って、たまにくさい事言うんだよなぁ。 どっから、そんな言葉が出て来るんだか……」
「どっからってなぁ! そりゃ、勿論、口からに決まってんだろー。 俺の口からそういう言葉が出てくるんですー」
和也は望に向かい、自分の唇を差し出すと人差し指で差すのだ。
「ちょっとー! 和也、調子に乗らないで下さいよー。 調子に乗り始めたら、また、くさいセリフが出て来て、この暑いのに北極位の寒さになって、ペンギンさん来ちゃいますからねぇ!」
「逆にいいんじゃねぇの? 暑いところにいるからこそ、寒くなって熱中症予防にもなる!」
そう和也の前向き過ぎる発言に、裕実と望はため息を漏らすのだ。
「……って、どうして、和也は上手く返して来るんですかねぇ。 今の言葉っていうのは、褒めてるのではなく、呆れてるんですからね」
「前向きな性格っていうのは俺の長所! 人生っていうのは一度しかないんだから、楽しまなきゃ損するーってな訳で、俺のモットーは明るく前向きに生きてくって事です!」
裕実はその和也の言葉に呆れながらも何故だか安心しているようだ。
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