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第22話 艶やかさと初々しさ 2

 ベッドの上に乗り上がり、引き寄せるように腰を掴んだ。すると雪近は胡座をかいた俺の脚の上にまたがる。近づいた身体。ほのかに感じる体温。それに引き寄せられて、首筋に顔を埋めた。唇を伝わせ、時折舌で撫でる。そして薄い皮膚に歯を立てれば、肩に置かれた手に力がこもった。  その小さな反応がいじらしくて、もっとそれが見たくなる。背中に回した手でなめらかな肌を撫で、タオルの隙間から腰へ手を入れるとほんの少し肩が跳ねた。見上げてみれば、頬を赤く染めながら見つめられる。 「大悟さん、もっと触ってよ。早く欲しい」 「そんなに煽るなよ。優しくできないだろ」 「優しくなんてしなくてもいいよ。大悟さんの全部で、俺の隙間を埋めてしまいたい」 「そういう可愛いこと言うな。ったく、小悪魔め」  好きな相手にこんな風に煽られてその気にならない男がいるだろうか。まっすぐに光を含んだ宝石みたいな瞳に見つめられて、心が絡め取られたみたいになる。腰を抱いて、ぐっと身体を前に倒せば、雪近は抵抗もせずにベッドに沈んだ。  白いシーツの上に柔らかな黒髪を散らして、じっと俺だけを見つめるその表情に心が揺さぶられる。投げ出された左手を持ち上げて、そっとその指先に唇を寄せた。優しくしたい、大切にしたい。そんな想いが膨れ上がるけど、その心と相反した想いも生まれる。熱情のままに抱いて、すべてを腕の中に閉じ込めたいと思う感情。 「ほかのこと考えられなくなるくらい、俺のこと見てよ」 「馬鹿、もう俺の中にはお前のことしか残ってないないくらいだ」  両手を縫い止めれば、至極満足げに目を細めて笑う。あまりにも綺麗に笑うから、その顔を歪めたくなってしまう。手を滑らせて首筋から、胸元まで優しく撫でた。そして期待するような目に見せつけるように胸の尖りを押しつぶす。唇を寄せて舌で舐ると、それはツンと立ち上がる。 「大悟さん、俺、そこはあんまり」 「ん? もしかして、あんまりいじられたことないんだ? じゃあ、よくなるまで可愛がろうかな」 「え! そこばっかり、いやだ」  恥じらうように目を伏せたその顔が可愛くて、口先ばかりの否定を受け流した。

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