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第25話 艶やかさと初々しさ 5
けれど張り詰めた熱をきつく扱けば、震えながら甘い声を漏らす。その声を誘うように再び口で熱を刺激し、内側まで追い詰めていく。
「雪、声」
肩を震わす雪近の腰を指先でなぞると、引き結んでいた口から小さな嬌声が漏れ始める。加虐心を煽るような涙声は、ますます俺の気持ちを高ぶらせていく。縋るような声で何度も名前を呼ばれ、その声がもっと聞きたくなって、しつこいくらい愛撫を繰り返した。
「駄目、大悟さん、離して。ん、もう、イク、やだ、離して」
熱がいまにも弾けそうなほど膨らむ。けれど上から振ってくる声は無視をして、腰を掴んで咥えたまま頭を上下させる。押し込んだ指もじっくりと奥を開かせるようにゆっくりと動かした。
「やだ、大悟さん! いや、いやだっ、離して、ぁっ、イク、も、やぁ、ああぁっ」
身体がぶるぶると震えてシーツを握る手が白くなる。切羽詰まったような声を漏らし、雪近は太ももを痙攣させながら果てた。口の中に吐き出されたものがあふれるが、そのまま喉奥に飲み込んだ。
口元を拭いながら身体を持ち上げれば、ぼんやりとした目のまま雪近が荒い呼吸を繰り返している。上気した頬には涙の跡が見えた。けれど手を伸ばしてなだらかな身体を撫でると、小さく肩を震わせる。赤く色づいた胸の尖りを押しつぶせば、潤んだ目でこちらを見ながら掠れた甘い声を上げる。それを見ているだけでひどく興奮した。
「雪、もっと声が聞きたい」
「大悟さん、ずるい」
「だって、雪が可愛いから」
「ずるい。俺も大悟さんが気持ちいい顔してるの見たい」
ムッと顔をしかめるそんな表情まで可愛くて、口元がにやけて仕方がない。しかし機嫌を取ろうと近づけば、伸びてきた両手に抱き込まれた。そして押しつけるように口づけられる。驚いて目を丸くする俺などお構いなしの雪近は、口内に舌を滑り込ませると口の中の残骸を舐め取った。
食らい尽くす勢いで口づけられて、二人分の唾液が口の端からこぼれ落ちる。
「雪?」
「今度は俺の番だよ」
抱きつかれたまま身体に体重をかけられると、バランスを崩して俺の身体が後ろへひっくり返る。今度は雪近が俺にまたがり見下ろしてきた。にんまりと口の端を上げて、俺を見下ろす雪近の表情は雄そのものだ。そのあふれんばかりの色香に思わず息を飲んでしまった。
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