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噂話について6
「ただいま……」
「おかえり〜って元気ないね、優也」
「もうやだ」
「ああー、まあ彼氏と一緒に合同インタビューなんて、普通嫌だしね〜」
「……恵介きらい」
「ええ!?」
あのあと、俺は先輩と有川をおいて小会議室から逃げ出し、教室に戻ったのだ。まあ、あと少しで予礼も鳴るところだったし、あの場にはいられそうになかったし……。思い出すと恥ずかしすぎる。
「優也に嫌いって言われたあああ」
とはいえ恵介に当たってしまったのは良くない、うん。それに恵介に泣きつかれている佐々木くんが可哀想だ。
「恵s」
「やっぱ彼氏の前で恥ずかしいこと言っちゃったのかなあああ……それで俺にあたってるだけだよねええええ」
「…………」
「あ、東峰くん…」
「ゆうや??」
「恵介きらい」
「うわあああああああああああああああ」
「え、ええ……」
ごめん佐々木くん。本当にごめん。全ては恵介が悪いから。そんなひっついてるのポイしちゃっていいから。だからごめんっ!!
俺はこうして、佐々木くんに恵介を(半ば無理やり)押し付けて、授業を受けたのである。
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