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対策について1
6時間目の世界史とか、「どうぞお眠りください」って言ってるようなもんだと、俺は思っている。先生はヨボヨボのおじいちゃんで、もそもそと喋りながら、かっかっかときれいな字を黒板に書いていく。なんだかそれが子守唄のように聞こえるのだ。後ろをチラリと覗き見ると、案の定、恵介は夢の中だった。
恵介っていうか、クラスの大半は寝てるな〜。あ、でも佐々木くんは起きてる。恵介も見習ってほしいよ。
なんてことを思いながら、俺は視線を自分の手元に移し、昼のことを思い出していた。
『付き合ってないという証拠』
これはなかなかに難しい。付き合ってる証拠なら、まあ、なんとかなるかもだけど、付き合ってない証拠?なんだそりゃ?
誰か別に恋人がいたことにするとか?すっごい仲が悪いふりをするとか?あ、ストーカー対策でした!みたいな?
………俺大根役者なんだけど大丈夫かな…。
『いっそ付き合っちゃえば?』
それだけは嫌だ!いくら頭が固いと言われようが!俺は!男とは!付き合いたくない!可愛い女の子と付き合って、結婚して、子供ができて………そういう未来を望んでるんだ!!しかも相手はあの男前の化身、有川!せめて可愛い男子なら………いや、無理だけども!
「ううう………」
「…東峰……大丈夫か……?体調悪いのか……?」
「え、あっ!いえ、大丈夫です」
「そうか………?」
気づかぬうちに唸っていたらしい。一番前の席だから、おじいちゃん先生でも気づいたんだろう。気をつけないと。
…ただ、一人で考えてもうまく行きそうにないな…。第一、外部の俺はこの学校のことも有川のことも知らないし……。情報収集をして、作戦を考えないと…。
俺はあることを決め、授業が終わるのを待った。
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