8 / 11
対策について2
「なあ、恵介、あと佐々木くん。これから空いてる?話したいことがあるんだけど…」
授業が終わり、みんなが帰り支度をする中、俺は二人に話しかけていた。
「優也、もう俺、優也と話していいの…?」
「あー、さっきはあたっちゃってごめん」
「やったー!優也と話せる!!」
「で、佐々木くんは?」
「うん。今日は部活ないし、大丈夫だよ。話なら、学校のカフェテリアとかがいい?」
「えー、俺を無視しないでー…」
「んー、できれば学校の人がいないほうがいいから、ファミレスとか…だめかな?」
「わかった。じゃあ行こっか。ほら恵介くん、準備して」
このちょっとの間で、佐々木くんが恵介のお母さんみたいになってしまった…。まあ、佐々木くんは面倒見良さそうだもんな。
「一番近いファミレスって、駅前のところとか?」
「ううん。実は新しくできたところがあるんだよね。多分そこならうちの学生はいないだろうし、距離も近いよ。」
「じゃあそこで決定!!行くぞー!」
恵介はそう言うと、昇降口まで走っていってしまった。いや、なんで走るんだよ。ファミレスは逃げないぞ……?
「はは、恵介くん走って行っちゃったね。僕たちも急ごうか」
そうやって笑う佐々木くんが、穏やかで、優しいオーラみたいなのにつつまれてた。
あっ、やっとまともな頼れる人に会えた……。
その時俺はしみじみとそう思ったのである。
ともだちにシェアしよう!