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対策について4
「じゃあ有川ファンクラブからの返事は気長に待つとして、作戦を考えよっか」
そう言ってスマホをしまった佐々木くん。
あー、佐々木くん最高。
こんなに優しい人久々だー。
もう、ニコリと笑う姿に後光がさして見えてしまう。
手を合わせて拝もう。
ありがたやありがたや
……落ち着こう。
まあ、今まであった人たちが散々だったからな。ここまで嬉しくなっちゃうのも、仕方がないといえば仕方がないけど。
「はいはい!はいはいはいはい!」
「恵介うるさい。お店の人に迷惑じゃん」
「優也、ひどいっ……」
「まあまあ…
どうしたの?恵介くん」
「俺、いい作戦思いついちゃった!
名付けて……
『他校に彼女いました大・作・戦』!!」
うん、恵介に聞いたのが悪かったな。
「佐々木くん、何かいい作戦ないかなー?」
「えっ、無視?!無視するの?!」
「あはは……
うーん、そうだね…。
恋人に関する今での有川くんの発言と、東峰くんとの相違点を見つける…とかは?
例えば、有川くんは恋人のことを『背が高い』って言ってたけど、東峰くんは平均的な身長だよね、みたいな…」
「おお〜!なんか説得力ありそう!」
「でも、有川ファンクラブの返信を待たなきゃいけないから、他のも考えた方がいいと思う」
「そっかー…どうしよう…」
「………うっうっ…
……他校に彼女いました大作戦…」
ぼそっと恵介が何かを呟いた気がするけど、無視だ無視。
だってその作戦を遂行するには、他校の(というか中学のときの)同級生に頼まなきゃいけないんけだろ?!無理だよ無理。
そりゃ、嫌われてはなかったと思うけど、そんな協力してくれるほど仲良くもないし。
「僕はいいと思うよ、その作戦」
「!!本当?」
ま、まさか佐々木くん、なんてことを……。信じてたのに!裏切らないって!(何を?とかツッコんじゃいけない)
「あ、でも、他校じゃない方がいいんじゃないかな」
「「へっ…?」」
んん?佐々木くん?何を言い出すのかな?
「ほら、東峰くんは有川くんと付き合ってることになってるんでしょ?
だったら、女の子と付き合ってるより男と付き合ってるほうが、説得力増しそうじゃん?」
さ、さ、さ、さ、佐々木くん?!?!?!
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