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第2話

「.....高志、今週の金曜と土曜、何か用事ある?」 「ん?金土?」 いつもの帰り道、ふいに未樹が切り出した。 金曜日は放課後バイトだったけど、「なんで?」とだけ聞き返した。 「...両親が旅行で、家に誰もいないんだ。だから、高志が良かったら泊まりに来ても」 「行きます」 即答した。 バイト先にその場で速攻で電話をして、無理矢理休みをもらった。 だってだって、こんな日が来るなんて! 今まで未樹は、家に遊びに行ってみたいと言っても、頑なに拒否をし続けた。 「汚いし、狭いから」とはぐらかされて来たけど、ようやく誘ってもらえたんだ。しかも泊まり! あぁもちろん、変な気は起こさないように気を付けます。 そうやって決意して向かった、未樹の家。 早々に未樹の部屋に案内されて、置かれているベッドを目にすると、一気に妄想が膨らんで、思わず唾を呑んだ。 ここで毎晩、未樹が寝てるのか... 「どうしたの?」 ベッドを見つめたまま動かない俺を、未樹は首を傾げて見つめる。 俺は邪念を振り払うべく、ブンブンと顔を横に振った。 「何でもねぇ。っていうか未樹の部屋、超綺麗じゃん。俺ん家の方が狭いじゃんかよっ」 未樹は俺の家には何度か来たことがある。毎回、無理矢理誘ってる感が拭えないけど。 「…今日の為に片付けたに決まってるだろ。せっかく高志が来るのに、散らかってたら悪いと思って…」 はい、反則、その顔。 そうやってすぐ拗ねて、目を伏し目にするのやめて。可愛いから。抱きしめたくなっちゃうからっ。 そんな事言われたら未樹は引くだろうから言わないけど。 変な気は起こさないってあれほど言い聞かせていたのに、すぐにでも理性が崩壊しそうだった。 そもそも夕飯に出前でピザを頼んだのが間違いだった。 未樹のピザにかぶり付く時の色っぽさときたら。油でテカテカと光る唇と、トマトソースがついた指先をちゅっと音を立てて舐める仕草。ピザよりも未樹が数倍美味しそうで、食べたくなってしまった。 そして風呂。未樹が先に入った。 直ぐに部屋に帰ってきた未樹を目にした途端、まずいと思った。 いつもはフワフワの髪の毛がしっとりと湿って、何故かサイズの合っていない大きめのパジャマを着ていた。そこから時折ちらちらと覗かせる、鎖骨や手首。俺は膝をモジモジとさせながらバスルームへ向かい、シャワーを浴びながら我慢できずに抜いてしまった。 人ん家で破廉恥な事をしてしまった事に罪悪感を抱きながら、用意してくれた布団に潜り込んだ。取り留めのない会話をして、そろそろ寝ようかと電気を消されて、瞼を落とした時だった。 「……高志。俺、高志に訊きたい事があるんだ」 俺は嫌な予感がして目を見開き、息を呑む。 もしかして、風呂場でオナってたのバレた?なるべく早く出て来たつもりだったけど…。

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