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第8話
次の日もその次の日も、俺は学校をさぼった。
その間、未樹からの連絡は無かった。きっともう、俺らの関係は終わったんだろう。
あーあ。クラス替えまでまだまだ日があるけど、どうやって過ごそう。
その次の日の土曜日、部屋のベッドに寝転がり、頭の後ろで手を組んで考え込んでいたら、コンコンとドアをノックされた。
「あんた、また友達と喧嘩したの?家の前でウロウロしてたから中に入れたわよ。早く仲直りしなさい。じゃあ私、出かけるからね」
姉貴のその言葉に、咄嗟に上半身を起き上がらせると、ゆっくりドアが開いた。その向こうに未樹が立っていた。
「…...未樹」
「……高志。俺、高志に言いたい事があるんだ」
未樹はまるであの日と同じような言い方をすると、後ろ手でドアを閉め、手に持っていた紙袋をバサッと床に置いた。
そして自ら着ているシャツのボタンに手をかけ、一つ一つ外していった。
「…んだよ。別れる前に一回ヤろうってか?」
「違うよっ!高志、いつも勝手に話を進めないでよ!」
必死な形相の未樹に、グッと言葉を呑み込む。
未樹はどんどん衣服を脱ぎ捨て、最終的にパンツ一丁の姿になっていた。
「……ちょっと後ろ向いて、目、瞑ってて」
「は?何で」
「いいから!!」
「わ、分かったよ」
いつも自信なさそうに話すのに。そんな張りのある声も出せるんじゃねぇか。
分かったと言いながらも、未樹の白い肌に見とれていたらジッと睨まれて、仕方なく背を向けた。そうすると、シュルシュルと布が擦れるような音が聞こえた。
「…何してんの?」
「いいって言うまで、開けちゃ駄目だよ」
こっそり振り返ろうとしたけど、未樹にバレて声を荒げられたから、仕方なく諦めた。
結構な時間、目を瞑っていた気がする。
一体何なんだ…と思ってたら、ようやく「いいよ」と小さく返事がもらえたから、目を開けて振り返った。
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