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canon47

……―― ……―――― ……―――――― 「…ッん…、アッ…」 羞恥心からどうしても抵抗してしまう両手は、木崎さんの片手によって頭上で一纏めにされ、もう片方の手で胸の突起を弄られる。 ビクっと腰を跳ね浮かすたび、声を上げるたび、木崎さんの唇から嬉しそうな吐息が零れるのが居たたまれないほど恥ずかしい。 さりげなく、でも強引に脱がされた服は、ベッドの下にでも落とされたのかどこにあるのかさえわからず、木崎さんの舌が肌を這えば、それだけで意識がどこかへ飛んでしまいそうになる。 こんな溶けてしまいそうな熱さ、俺は、知らない。 「声、我慢してんじゃねぇよ」 「イヤだ…ッ、…ン」 気が付けばいつの間にか両手の拘束は外されていたけれど、頭がボーっとしてしまい、もう抵抗すら出来ない。縋るように目の前の肩を掴んでしまう。 脇腹を撫でる大きな手の平。首筋や耳朶を食む唇の感触が、震えのような何かを呼び起こす。 そして、木崎さんの長く整った指先が、緩く起ちあがっている俺の欲望に触れた。 「…く…ぁッ」 先端から先走りの液が滴り落ちたのを感じて身を捩る。 「逃げんな」 吐息混じりの木崎さんの声は熱を増し、常よりも低い声が情欲を呼び起こす。声でさえ愛撫のひとつのように、肌が震える。 逃げようとした罰なのか、俺の中心部に触れている木崎さんの手が絡みつくように動きだした。 「…ァ…ッ…待っ、」 「素直にイイって言えよ」 先走りの体液が止まらない。 木崎さんの手が動くたびに小さく濡れたが聞こえてくる。 ぎゅっと肩にしがみつくと、木崎さんがあやすように片手で抱きしめてきた。それによって更に密着する身体。 その時、俺の下半身に触れた熱いもの、それが何かわかった瞬間、全身が沸騰したような錯覚を起こした。 明らかな熱と硬度を感じるそれは、間違えようもなく木崎さんの欲望。 自分だけが感じてるわけじゃない。自分だけが熱くなっているわけじゃない。 その事が、どうしようもなく嬉しい。 「なに笑ってんだよ」 「……んッ」 自分だって優しく笑んでいるくせに、何故か不満そうに言われた。 胸の突起を舌で舐られながらの発言に、背がビクっと浮く。 そして、それまで俺のモノに触れていた指先が、もっと奥まった場所に滑った。 「…ッ…あ!」 俺のモノから溢れ出た体液を利用して後孔に侵入してくる木崎さんの指を、身体の内部で感じるこの違和感。 内部で指がグルリと動いた瞬間、その異物感と妙な感覚に耐えられず、尚更強く木崎さんの腕にしがみついた。 「…ッ…ク…」 あまりの恥ずかしさに唇を噛みしめても、上がる声は隠しきれない。 「辛かったら、我慢しないで声を出せ」 掠れた声は、木崎さんが己の欲望を抑え込んでいる事を如実に表していた。 ここまで反応を示している木崎さんのモノ。同じ男として、今の状態で我慢する事がどれだけキツイのかわかる。 本当なら、今すぐにでも突き入れたいと思っているはずだ。 それなのに、俺の身体が傷つかないように、丁寧に丁寧に後ろを解してくれる。 木崎さんの優しさに心がふわりと解き放たれる。とても大切に扱ってくれている事を、行動が全てを物語っていた。 「木…崎、さん…ッ…ン…ぅッ」 二本目、三本目と徐々に増えていく指。 増していく圧迫感。 その時、 「…ン…ぁああ…ッ!」 驚くくらいの快楽が全身を駆け抜けた。 奥のある一点をグリっと擦られた瞬間のこと。脳髄まで染みわたる痺れるような何かに腰がビクリと跳ね上がる。 「ここか」 嬉しそうにそう言って少しだけ上半身を起こした木崎さんは、何がなんだかわからずに茫然としている俺に視線を合わせてきた。 「響也」 「………木崎さん?」 「本当にいいんだな?…ここでお前を抱いたら、俺はもう絶対にお前を手放さない」 木崎さんの真剣な眼差しと言葉に、心臓がギュっと縮まったような気がした。 嬉しくて、恥ずかしくて。そして、木崎さんへのあまりの愛しさに眩暈がする。 「…何言ってんですか。俺だって、ここで木崎さんが俺を抱いたら、二度と離れてなんかやりません。…いいんですか?」 涙が滲んでくる目元をそのままに生意気な事を言ったら、 「上等だ」 木崎さんはニヤリと笑った。 そして、俺の右足を持ち上げて、胸に着くように折り曲げられる。 間近で目線が絡み合ったと思えば、次の瞬間、後孔に昂った木崎さんの欲望が押し当てられた。 指先を使って少しだけ広げたそこに、グッと熱い塊が押し入ってくる。 想像以上の圧迫感に、思わず息を詰めた。 「…ク…ッ、…響也…、力を抜け」 「ン…ッ!…苦し…!…ハ…ッあ…ぁ!」 詰めていた息を吐いた瞬間、まるで抉られるような重みで木崎さんのモノが中に入ってきた。 衝撃に一瞬だけ止まってしまった呼吸をなんとか思い出して、無理やりにでも酸素を吸い込む。 痛くて、苦しくて、…でも、嬉しくて…。 もう何がなんだかわからない。 「…動くぞ」 低く掠れた声。 返事をする間もなく、クチュという淫らな音と共に木崎さんの腰が引かれ。 そして 「…ぅ…ぁあ!…ッ…ん!」 また突き入れられた。 それは確実に、さっき俺が嬌声を上げてしまった部分を狙っている。 指で触れられた時とは比べられないくらいの気持ち良さに、もう声は止められない。 痛みと熱さと快楽で、頭の中がおかしくなる。 徐々に激しくなっていく動きと、内部から発生する止まない情欲。それらに自分を持っていかれないように、必死に木崎さんの肩にしがみつく。 「…ッ…そんなに締め付けんな」 「…ぁ…ンッ…あッ…ハ…ッ」 ベッドの軋む音、肌のぶつかる音、揺さぶられる身体。 上から滴り落ちてくるのは…、木崎さんの汗…? 「も…ヤっ…、…ンぁ…あッ!」 深く穿たれるたびに、立ちあがっている俺のモノから白濁の液が溢れだす。 身体のコントロールが利かない。 「…あッ…あッ、…も…イク…、…ンッ」 気持ち良すぎて苦しいなんて、どうかしてる。

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