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「だからって、なんで制服のまんまで……って変態だろ、あんた!」
「『あんた』じゃない。『東城先生』 だろ?」
勝手に俺の親父と交渉しやがって。一晩、大切に預かりますって。おかしいだろ。二ノ宮とも話をして、なんでだか意気投合してやがったし。最後なんて、二人で酒まで飲み交わしてやがった。
で、結果がコレだよ。
本人の意思関係なく、先生にお持ち帰りされるって。おかしいっつうの。
しかも家にあがるなり、お姫様抱っこで寝室までご案内って。どんだけ、がっついてるんだっての。俺は女じゃねえ。
「足を開いて」
「誰が開くかよ」
「さっきは開いてたのに? パンツに染みまでつくって」
「あんたが勝手にベロベロと舐めてきたからだろ」
俺の上にいる東城先生は、スーツの上着を投げ捨て、ネクタイを緩めるとニヤリと口を緩めて笑う。勝ち誇った顔が、無性に腹が立つのは、俺が同じ男だからにちがいない。同性なのに、恰好いいじゃねえかって思う自分に腹が立つんだ。
男の俺が、男の東城先生に組み敷かれている。力で勝てそうもないし。体格が違いすぎる。
先生はがっちりしてる。俺は細身だ。女モノの服だって、女のサイズですんなり入っちまうんだから。
「和泉、好きだよ」
「嘘つけ」
俺の頬を両手で優しく包み込んで、先生が呟く。切なそうな顔に見えるのはきっと、ベッドの横にある温白色の電球のせいだろう。
「嘘じゃない。好きなんだ」
「……ひゃ」と首筋にキスをされて、俺は声をあげた。
なんだ? ぞくぞくする。キスすんな。身体の力が抜けるじゃないか。
「んやぁ。ああぁん」
「可愛い声、もっと聴かせて。和泉」
「やめっ……俺はノンケだ!」
「知ってる」
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