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風間は咄嗟に説明した。 自分は話をしにきただけという事、これまでの不運な人生のあれこれ、できれば異性を前にした振舞い方なんかも教えてほしいという事も。 それに、風間は受付の男衆から相手をしてくれる男娼が二人だなんて話は全く聞いていなかった。 自分は渺々たる花代しか支払っていないのに、こんなサービスは受けられない。 いや、どちらかというと後で高額な請求書でも見せられたりしたらたまったものじゃないというのが本心だった。 「大丈夫ですよ、淫花廓は前払い制ですから」 いつの間にか傍らには菖蒲(あやめ)がいて、クスクスと笑いながら風間の腕に身体を密着させてくる。 「そうそう、一人分の花代にも満たない金で俺たち二人が買えたんだからラッキーじゃないですか。せっかく来たんだし何も考えないで楽しめばいいでしょう?」 (いちご)も同じように反対側の腕に絡み付きながら妖しい笑みで風間を見上げてきた。 何だか妙に甘ったるい匂いが辺りに充満していく。 双子の艶麗な雰囲気に流されまいと風間は必死になって訴えた。 「ま、待ってくれ。俺は女性との経験しかない。男の…その…抱き方もどうすればいいかわからないし…き、君たちを楽しませられるかどうか…」 「風間様って凄く真面目」 菖蒲がクスクスと笑いながら、風間の手を取るとその手をそっと自分の胸元へ導いた。 可憐な菖蒲の花柄が描かれた着物の袷の間から、赤くぷつんと尖った乳首が覗く。 風間の指先を自らの乳首に触れさせると、菖蒲はわざとらしく「あん」と喘いだ。 弾力のあるそこは風間の指先を跳ね返すほど硬くしこっている。 それなのに驚くほどしっとりとしていて、いつまでも弄っていたくなる触感だった。 「膨らんでなくてもここは女と同じように感じるんです。さっきも見たでしょう?菖蒲、お尻の孔でもイっちゃえるんですよ」 菖蒲が誘うように腰を揺らす。 淫具を咥えながら絶頂していた彼の姿を思い出して、風間はかあっと赤くなった。 「心配しなくて大丈夫ですよ。風間様も菖蒲とに気持ちよくなれますから、ね」 苺が意味深な台詞を吐きながら、紅い唇をぺろりと舐めた。 そうして結局風間は双子の勢いに抗えないまま、キングサイズのベッドに転がされてしまったのだった。 「ちょっと菖蒲、お前がっつきすぎだろ。少しは譲れって」 「やだ。そうやって苺はいつも美味しいとこもってくんだもん」 「ちょ……ちょっと…君たち……っそこで喧嘩するのは……」 双子は風間の服を全て剥ぎ取ると、なんの躊躇いもなく風間の股間をしゃぶり始めた。 セックス経験の乏しい風間だが、フェラの経験はもっと少ない。 端正で美しい双子の男娼が、まるで奪い合うように自分の陰茎を愛撫する様は強烈でエロティックで、性的興奮をうながした。 菖蒲は風間のいきり立ったものの裏筋に舌を這わせ、まるでアイスキャンディのようにペロペロと舐めまわしている。 苺はというと、その先端から沸き上がる蜜をじゅるじゅると啜り上げながら舌先でしきりに蜜口を刺激してきた。 どんどんグロテスクに形を変えていくそれを夢中で舐めしゃぶる双子が、時々風間の反応を伺うように上目遣いで見てくるものだからますます煽られてしまう。 「風間様のこれ、太くて長くておっきくって菖蒲…もう入れたい」 腰をくねらせながらうっとりと瞳を潤ませる菖蒲の発言に、風間は思わず吹き出しそうになった。 「だから、我慢しろって。まだ後もならしてないだろ」 「さっき苺が意地悪するからこうなったんでしょ」 「ああ?あんあん喘いでたのはどこのどいつだ」 「……ま、まぁまぁ二人とも喧嘩しないで」 それにしても二人とも仲がいいんだか悪いんだかわからない。 顔立ちはそっくりだというのに、中身は全く違う。まるで別物だ。 まぁ、クローンではないので当然なのだが。 「そんなに欲しいならこれでも突っ込んでろ」 「え……や、やだっ」 近くの物入れから何かを取り出した苺が菖蒲の揺らめく尻の狭間に何かを埋めた。 「ひぃんっっ……これ…やだぁあ風間様ぁ」 また何かの淫具を埋められた菖蒲が、顔を真っ赤に染めながら風間にしがみついてきた。 今度は何やら機械的な音がしている。 バイブレーション機能をそなえた淫具らしい。 菖蒲が助けを請うように風間を見上げた。 唇が濡れている。 さっきまでこの唇が自分の昂りを頬張っていたのかと思うと、風間の劣情は一気に煽られた。 「抜けないように風間様に抑えててもらえよ。こっちを濡らしたらすぐに入れてやるから」 苺に促され、風間は菖蒲(あやめ)の後孔に恐る恐る手を伸ばした。 汗に濡れしっとりとしたそこは、根元までズップリと淫具を咥えこんでいてブルブルと震えている。 悪戯心がわき、少し淫具を揺らしてみると菖蒲は背中を反らしながら可愛らしく喘いだ。 突然、風間の股間にとろりとした何かが垂らされる。 生温い感触に瞠目して思わず見下ろすと、苺が自らの指にねばついた何かをたっぷりと纏わせているところだった。 「さぁ、風間様。すぐに菖蒲のように気持ちよくしてあげますね」 「え?待て……待て待て待て…!」 何だか嫌な予感に胸がざわつく。 つぷり、と後孔に差し込まれた指の感触に風間の思考はショートした。 まさか自分の尻に入れられるなんて思ってもみなかったからだ。

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