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45年間生きてきて、こんなに頭が真っ白になった事はあっただろうか。 これまで経験してきたあれこれを遥かに超越するほどの状況に、風間の思考は全くついていかない。 ただ、自らの孔が掻き回される感触と次第に荒くなる呼吸の音で頭はいっぱいになっていた。 苺のしなやかな指は風間の決して美しくはない後孔に深く埋められ、粘膜を撫でるように蠢いている。 本来なら異物や嫌悪を感じる筈であろう風間のそこは、苺の指を嬉しそうにしゃぶり、味わい尽くそうと妖しい蠕動を繰り返していた。 どうかしてる、こんなのおかしい。 そう思っているのに、感じてしまう事を止められない。 しかも苺は早くも風間の弱点を探りあて、そこを執拗に突つくものだから風間は理性を保つのに必死だった。 「風間さんイっていいんですよ?ほら、ここでしょう?いいところ。ほら、ほら」 「や……っ…あっ…あっ…やめてくれ……」 コリコリとした膨らみを弄られて、一気に射精感が込み上げてくる。 しかし、風間は唇を噛み締めると必死で抑えこもうとした。 尻を弄られてイくなんて全く体裁が悪いからだ。 しかも自分より一回り以上も年下の男の子にイかされるなんて。 「結構強情だなぁ。菖蒲(あやめ)、こっち来てしゃぶれ」 菖蒲は身体を反対向きにして風間を跨ぐと、何の躊躇いもなく男根をしゃぶりはじめた。 「わっ、ちょっ……!」 突然のフェラにも驚いたのだが、それよりも目の前いっぱいに広がる菖蒲の股間に目が釘付けになる。 菖蒲の淡いピンク色の陰茎は腹をうたんばかりに反り返り、吐き出した蜜にまみれて卑猥な糸を引いていた。 淫具をいっぱいに咥え込んでいる孔も、本来ならあるはずの皺が伸びきっていて酷く淫らで卑猥だ。 その凄絶すぎる光景を前に滾らない男などいるだろうか。 思わず手を伸ばし、丸みを帯びた双丘を鷲掴む。 気がつくと激しく揉みしだいていた。 「あんっ…風間様っ…菖蒲、そんなにされたらイっちゃう…ああん」 濡れた内腿がガクガクと震えだす。 それと同時に、菖蒲の口淫も激しくなり、なぜだか苺の手淫も激しくなった。 「ちょっ…まっ……で…出るっ出るから」 もう何がなんだかわからない。 グリグリと泣きどころをほじくられて、陰茎をしゃぶり尽くされて風間ははしたないほど腰を揺らしながら絶頂を極めた。 しかも菖蒲の口の中に、だ。 「ほら、菖蒲バイブ抜いてやるから風間様に入れてもらえ」 苺は、風間と同時にイっていた菖蒲の淫具を後から引き抜くと、まだ息も整わない風間の上に乗せてきた。 唇にうっすらとついているのは風間の吐き出した精だろうか。 肌を上気させ、欲情に瞳を潤ませる菖蒲はひどく扇情的だった。 菖蒲はぽっかりと開いた自らの後孔に風間の怒張を宛がうと、躊躇なく腰を落とす。 もはやそこは排泄器官などではなかった。 入り口はきつく締め上げてくるのに、中は驚くほど柔らかく風間を誘い込むように絡みつく。 まるで女の陰部のようだ。 いや、それ以上かもしれない。 「それじゃあ俺も風間様の処女いただいちゃいますね」 うっとりしている風間の足が有無をいわさず左右に押し開かれる。 苺は、自らの帯を解くとゾッとするほど蠱惑的に微笑んだ。 もう抗う事はできない。 いや、そんな気すら起きなかった。 風間の目の前で淫らな行為に耽る双子の姿があまりにも美しく、艶かしく、優雅だったからだ。 「…っあっ…あっ…っ」 可愛らしい顔に不釣合いなほど太く長大な苺の肉棒が風間の未開の地を貫いている。 後孔を犯す感触も格別だが、犯されるのはまた別格だった。 指で擦られていたあの場所を男根の切っ先でグリグリと抉られると饒舌に尽くし難い快楽に襲われる。 苺の突き上げに風間が感じると、連動するように菖蒲が感じた。 前と後ろを同時に犯さて、風間はすっかり傾倒していた。 この世の中にはこんなにも甘美で耽美な世界があったのか。 「ああ…っ…っあっ風間様…菖蒲の中気持ちいいですか?」 風間の男根を深く咥えこんだ菖蒲が誘惑するように腰を揺すってくる。 「は?俺のこれが気持ちいいに決まってんだろ。な?風間様」 苺も負けじと腰を突き上げ、風間の最奥を雄で満たす。 二人の美しい男娼に挟まれ、風間は生まれて初めて『生きている』事を実感したのだった。

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