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第11夜

部屋の隅に置かれていたベッドに亘は押し倒された。経験のない亘が尻込みしそうになるのを、強引に引き止め、貴志は息が止まるような濃厚なキスをした。 貴志の手によってセーターやシャツを一枚一枚脱がされる度に、亘は恥ずかしそうに震えた。チノパンも脱がせ、あとは黒のボクサーパンツだけになり、それも脱がそうと手をかけたとき、亘が慌てて貴志の手を押さえた。 「あ、あの、ぼ、僕は何をしたらいい?」 急な展開にも関わらず、生真面目に対応しようとしている亘に、貴志のドS心が思わず疼いたが、理性でなんとか押さえ込んだ。 「先生は何もしなくていいんですよ。俺が全部やってあげますから。あなたは俺に合わせて動いてください。今日最後のクリスマスプレゼントに、素晴らしい快感をあげますから」 「…ごめんね。僕、プレゼント、何も用意してなくて」 「ちゃんともらいました」 「え?」 「ここに、俺の腕の中にあなたをもらいました」 クリスマスの夜にしか言えないようなくさいセリフを聞いて、亘は顔だけでなく、身体中を赤くした。 パンツを脱がせると、他人に触られたことのない、小ぶりだがきれいな色の亘のモノが、硬く立ち上がっていた。 「期待してくれてるんだ。かわいい」 亘は顔を覆って声も出せないようだ。 手を伸ばして亘の手を顔から退けさせると、そばかすだらけの鼻に「ここが特に好きだ」と言いながらキスをした。 顎や首すじに舌を這わせ、乳首を舐めた。インドアな性格を物語る色白な肌に、ピンク色の可憐な粒がプツンと突き出した。舌先でつつく度に上ずった声をあげる、亘の30歳とは思えない初々しい反応があまりにかわいらしく、軽くめまいを覚えながら貴志は夢中になって亘の乳首に舌を這わせた。 亘は貴志が舐めたり吸ったり、空いている方の乳首を指でつまんだりねじったりしている間、荒い息をついて羞恥と快楽の波に揉まれながら、ほんの数分前までの悲しかったり寂しかったりしていた時と、今、貴志に抱かれながら淫らに喘いでいるこの時と、どっちが夢かしらと不思議に思っていた。

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