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🎄 Jazz Night eve 8 🎄 22日
それでも、
気になった俺は振り向いた。
バカな俺、
見なきゃ良いものを見たんだ。
俺が逃げる様に去ったその場所で、
伊月の腕の中で抱きしめられてる晴矢。
俺には抵抗している、嫌がってる様子には見えなかった。
好きだと言った後にはもっとも辛いシーンをありがとう。
感謝するよ神さま。
晴矢が俺を見て何かを叫んだ気がしたけど、もういい、幻覚だろう……
どうやって入ったかわからない店、
なんで起きたがわからないケンカ。
警察署で一晩頭を冷やした俺は親の年ほどの警官から散々小言を食らって早朝解放された。
ケンカの途中でぶっ壊されたスマフォを渡され、コーヒーでも飲むかと入ろうとしたコンビ二のガラスドアに映った自分の姿に笑いが止まらない。
好きだと言ってその日に失恋したのか?俺は?
腫れ上がった顔に尋ねてもなにも答えは出なかった。
壊れたスマフォからはもう、
なんの言葉も聞こえない。
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