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ハロウィン妄想と恋人たちの時間05
「……斉藤。斉藤、起きろってば。風邪引くぞ」
「う、うーん……」
「なあ、なんで寝ちゃうんだよ。こんな格好させたの、おまえのくせに……」
珍しくすねた声音でゆさゆさと腕を揺さぶられ、霞がかった意識のまま感覚を委ねる。
ふいに膝の上に乗り上げてくる気配があった。
「起きないならイタズラするけど……いいの?」
「んん……いたず、らぁ……?」
眠気のせいでなかなかまぶたが持ち上がらない。
舌足らずに返事をすると、「イタズラ、してほしい?」と耳元で囁かれた。ぞくりと背筋が震える。
え? え? いたずらって、まさか、まさか……。
柔らかな感触が唇に押し付けられ、「ん……」とくぐもった声が零れ落ちた。
ふにふに、と薄い皮膚が遊ぶように触れた後、ちゅ、と音を立ててついばまれた。
ファーストキス以来の色っぽい展開に、心臓が跳ね上がる。
相庭が、俺に、キスしてる!!
頭の中は驚きと喜びで一気に覚醒したというのに、まぶただけが重くてなかなか思うように持ち上がらない。
なんだこれ、どうなってる。今相庭が目の前でエッチなコスプレをして、エッチなイタズラをしているというのに、よく見えない!!
「あっ、もう、さいと……んんっ」
見えないなら与えられている感覚を貪ってしまえと、唇の間に舌を差し込んだ。驚いた相庭がピクリと肩を跳ね上げたが、嫌がることなく舌を絡めてくる。
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