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ハロウィン妄想と恋人たちの時間06
ファーストキスのときは同じことをして彼女に殴られた。
その後ギクシャクして、すぐにふられてしまった。以来、誰ともそんな展開にはならなかったので、これが正真正銘初めてのディープキスだ。
欲望を受け止めるように優しく舌であやされ、体も下心も煽られる。
(あー……なにこれ、とろけるぅー……。ぐずぐずに甘やかされたい……)
熱く濡れた感触を堪能しながら、「相庭、おっぱい触ってもいい?」と尋ねると、「おっぱいなんてないよ……」と戸惑った声が返ってくる。
一生懸命まぶたをこじあげると、ぼんやりした視界の中、猫耳をつけた相庭が真っ赤になって瞳を潤ませている姿が見えた。
(その顔やばいムリ! しかも相庭今おっぱいって言った……!)
自分をまねて言っただけだとわかってはいるけれど、あまりその手の話をしない相庭が、直接的な単語を口にしたということにひどく興奮する。
しかも、黒猫の衣装ときた。黒いタンクトップの丈は短いし、襟ぐりが空いてて簡単に乳首が見えそうだ。なにこれ卑猥っ!
いろんな意味で感極まって、無言で薄い胸板に手を伸ばすと、思ったより柔らかな感触で驚いた。あ、これは、いける。
「んあ……、だめ、だって」
「全然だめじゃなさそうだけど……」
観察しながらこねるように揉みこむと、中心のしこりを掠めたときだけ、相庭は息を飲み込んでびくびくと震えた。
色素の薄いこんなにも慎ましやかな突起が、ひどく敏感らしい。
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