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ハロウィン妄想と恋人たちの時間08

「ストーップ!! 人が目を離した隙になにやってくれてるんだ斉藤!」 「椎名!?」  俺が叫んだのと相庭が反応したのは同時だった。 鍵を閉めたはずの玄関から背の高い男がズカズカと入って来て、膝に乗り上げた相庭をひょいと抱えた。 心地よい重みが消え、虚しい喪失感だけが残り、憎たらしい間男をギロリと睨みつける。 「ここ俺んちなんですけど!? いいところでなに邪魔してくれちゃってんの!?」 「邪魔も何も、相庭は俺のだから手出すな」 「はああぁぁ? 相庭は今俺と楽しんでましたがあぁ? な、相庭、俺とエッチなことしたくて来てくれたんだよな?」  明らかに自分の意思でいやらしいことをしていた相庭の同意を得ようと必死で話しかける。が……。 「ごめん。椎名が迎えに来てくれたから俺もう行くね。斉藤のことは友達として好きだよ」 「え、え、ええええなにそれ、なんで? 俺、相庭に弄ばれたってこと?? うそ、なんで?? 相庭くーーーーん!!」  申し訳なさそうな相庭の顔と、その肩に腕を伸ばした椎名が寄り添って部屋を出て行く。 絶叫が大きく響き渡ったところで、ハッと目が覚めた。 ぱちくりと瞬きをした瞳に、蛍光灯の白々とした明かりが突き刺さる。 「ぅあ……まっぶし……」  下半身は乱れていない。 ジッパーは上がったままだが、その部分は小さく山になっている。 「え、あれ? あれ? もしかして今のって……」  夢、だったのか……とがっくり肩を落とす。 夢でも現実でも納得のいかない展開ではあったが、眠りこける前に妄想していた衣装を身にまとった相庭を見ることができたのは幸いだった。 「……つうか、夢の中までお邪魔虫のたんこぶ男が出てくるとか……しかも相庭を奪われるとか、まじクソ展開! 夢くらい都合よくてもよくない!?」  誰に文句を言うべきかもわからないが、とにかく不名誉な夢を見てしまい、枕を思い切りぶん殴った。俺がそのまま二度寝してふて寝したのは言うまでもない。
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