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ハロウィン妄想と恋人たちの時間10

「相庭、あのさ、斉藤には気をつけて」 「え? なんで……」 「前々から思ってたけど、スキンシップ激しすぎるし、最近は、その……本気になってるとしか思えないから」 「え、俺に? 嘘だ。どうせいつものノリだよ」 「は?」  こっちは本気で心配して気を揉んでいるのに、相庭は「ないない」と手を振ってまじめに取り合ってくれない。つい鋭い声で言い返したせいで、抱きしめた体がビクリと強張った。 「本当にわかんないの? 今日なんか明らかに相庭でエロイ妄想してたし、ああいうのだって普通やんないだろ、友達に」 「えっと、ああいうのって?」 「だから、今俺がしてるのと同じこと、やってただろ斉藤と!」  鈍すぎる相庭にどうしようもなく腹が立って苛立ちをぶつけた。 「これとは違うでしょ。俺たちは一応付き合ってるんだし」 「一応って何。今とまったく同じ体勢だったし、手も握られてた。相庭は隙がありすぎるんだよ。自分に好意を向けられてるかどうかくらい、普通わかるだろ」  “普通”という言葉に相庭がぴくりと反応する。 「斉藤はなかなか彼女ができないからふざけて俺に絡んでくるだけで、男の俺のことなんかなんとも思ってないよ。どうせ意味なんかないのに、ノンケの言動なんかいちいち気にしてられない」  はき捨てるように言われて、今度は椎名がドキリとした。

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