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ハロウィン妄想と恋人たちの時間13
「そうだよな。でもそれが的外れとなると、俺が単に狭量だっていう話に収束しちゃうじゃん」
「え……?」
「相庭に気があるわけでもない相手の、普通を逸脱してないスキンシップに目くじら立てて、相庭を怒鳴って怒らせて? 俺、立派な束縛男みたい。まあ、否定はできないけど……」
拗ねたポーズで相庭を見つめると、どう返せばいいかわからないという表情で見つめ返される。
(かわいいなあもう)
「相庭、好きだよ」
「な、なに……」
「相庭は? 俺のこと好きでいてくれてますか」
「……す……好、き、だけど……」
「よかった。じゃあ、俺のこと好きな女の子が、俺に抱きついたらどう思う?」
「え……」
相庭は目をぱちぱちと瞬かせて、ようやく、わかったという顔をした。その表情を見ているだけで笑みがこぼれる。
「妬いてくれる?」
答えなんて知っていながら尋ねると、相庭が両腕を伸ばして首元にしがみついた。尻もちをつきそうになり、慌てて腕を突っ張って、二人分の重みを支える。
「やだ。絶対やだ。そんなの見たら息が止まる」
ぎゅうぎゅうと情熱的に抱きしめられて、たまらない気持ちになった。片腕を背中に回してぽんぽん叩くと、肩先で「ごめんなさい」とくぐもった声が聞こえる。
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