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ハロウィン妄想と恋人たちの時間14

「ゲイだってことを特別視して棚に上げてたの、自分の方だ。いつもいつも無意識に区別して椎名に我慢させてたのかって思うと、自分が恥ずかしい……」 「ん……」  ごめんと小さく繰り返す相庭の背中を撫でてやると、またしがみつく力が強くなった。誤り方がピュアすぎて、こっちが意地悪をした気分になってくる。結局言い合いをしても意地を張り続けられないのが、相庭のいいところだ。 「今度斉藤に会ったら、俺が相庭のこと好きだって、言ってもいい?」 「い……く、ない。もし勘違いだったら、椎名がカミングアウトしただけみたいになるだろ」 「別にいいよ。それに俺は確信してるから、悪い芽は早いうちに摘んでおきたいし」  にっこりと、けれど強い調子でそう告げると、相庭はふるふる首を振り、距離をとって正面からまっすぐにこちらを見た。 「俺が、好きな人がいるってちゃんと言う。その人に我慢させたくないから、スキンシップは控えてって頼むから」 「んー……。いいよ。でも斉藤の態度変わんなかったらまじで言うから」 「なんだよ、不服そうな顔すんな。万が一俺がそういう意味で好かれてたとして、椎名が出てきたら斉藤も疎外感感じると思うから」 「……こんなところで斉藤に優しさ発揮するとか。ああああもう。やっぱりムカツク」 「はあ? 自分に置き換えて考えてみ……んっ、んん……」

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