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後日談~弟くんへのご挨拶(椎名視点)2

 もともと性的指向が違う者同士がくっつくと、こんな弊害があるのかと日々思い知らされる。 自分と相手を切り離して考える相庭が時々痛ましい。  もっと懐に入れて欲しいし、同じラインに立ちたい。 遠慮しないで当たり前のように甘えてもらいたいが、これはもしかしてかなりの長期戦になるのではないか。 「相庭、好きだからな」 「へあ!? なっ、なん、なっ……」  突然の告白に、相庭はどこから出したのかと思うほどおかしな声をあげて、口をパクパクしている。 身体の隅々まで知っている仲なのに、この初々しさはなんだ。 自問すれば面白くない答えに辿り着く。 どうせ最初の弊害にブチ当たるのだ。 なんとか突破したくて、数を打つ。 「俺は相庭くんが大好きですよー」 「……椎名、俺そういうの免疫ないから、あの……」 「照れちゃう?」 「……ん」  ますます熱くなった頬を隠すように、コクンと頷いたままずっと下を向いている相庭が、可愛くて――でもやっぱり憎らしい。 「こういう時は、俺も好きだよって言うか、黙ってキスして欲しいんだけどな」 「う……」  ――唸っている。両手で顔を覆った相庭が食いしばるように呻き声を漏らした後、フラリと顔を上げ、掠め取るようなキスをした。 ふにっとした感触を残し、一瞬で離れていく唇が寂しい。

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