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後日談~弟くんへのご挨拶(椎名視点)7
「相庭くん、ここに座りなさい」
自分の正面の床をペシペシ叩くと、怪訝な顔をした相庭が無言のまま導かれた場所に腰を下ろした。――素直で大変よろしい。
「単刀直入に聞こう。君はブラコンなのかな?」
「そんなことはっ…………なくもない、ような気がする、かも……」
言い回しは潔くないが、どうやら自覚はあるらしい。
それならまだ希望は持てるかと、内心でほっとした。
両手で相庭の肩を掴み、にっこりと、しかし圧力をかけるように笑みを浮かべる。
「よし、じゃあ今日からブラコンは卒業だ」
「え!? そんなの無理。円ちゃんがいないと、俺……!」
飛び上がらんばかりの勢いで、相庭はブンブン首を横に振った。
あまりの抵抗っぷりに頭が痛くなる。
――これはわりと重症の部類だ。弟離れは難しいかもしれない。
なんにせよ無理強いはよくないし、信頼関係を壊しては元も子もない。
「わかった。円くんのことは好きなままでいいから、頼ったり、甘えたりは、俺だけにして」
「へ……」
眉をハの字にしたまま、相庭がキョトンとした顔をしている。
ここは意地を張らずに、心の中を見せることにした。
「円くんにしか甘えた顔を見せないなんて、ずるい」
「ずるいって……」
「妬いてんの、わかんない?」
「……や、妬いたの?」
相庭の頬がわかりやすく赤みを増す。
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