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新年SS 08

さっきまで絶対に見せられないと思っていた二年越しの本音を、スラスラと口にできた自分に驚きつつ、やけにスッキリとした気持ちで言い切った。 椎名は絶句している。 口を覆うように手をあて、しばらく考え込んでから、覇気のない声でぽつりと言った。 「なんで……相庭がそこにいないの。隣にいるのにそんなこと考えてるなんて、なんか悲しい。俺が」 「……うん。ごめん」 「でもちゃんと話してくれてありがとう。知らないままだったら相庭を失ってたかもしれないと思うとぞっとする」 「いや、椎名が選んでくれる限りは隣にいるし」 「だからそういうの。俺そんな刹那的な気持ちで付き合ってない。もっと同性と付き合ってる俺の本気を思い知って」 真面目に訴えられれば確かにそうで、恋愛の対象外だった同性を恋人にするなんて、きっとものすごい覚悟が必要だったに違いない。 神社から離れ、人気がないのを確認してから、椎名の肩先にこてんと額を押し付けた。 「椎名、俺から離れないで。女の人に戻んないで。帰って、同じベッドに入って、俺のこと抱えたまま平気な顔して寝ないで……」 くぐもった声で願望と身勝手さの塊を吐露すると、その場で思い切り抱きしめられた。

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