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第3話

顔を上げれば、やはりというか桃神先輩がキョトンとした顔で俺を見ていた。 「⋯⋯アンタこそなんでここにいるんですか」 「俺の質問は無視?相変わらず素っ気ないね〜」 カラカラと笑いながら、何を考えているのか分からないこの男。 「ここはね、俺の秘密基地。ま、要は空き教室であんまり人も来ないからヤリ部屋みたいな感じ!」 「うっわ、最悪」 「うわー、今までで一番蔑んだ顔貰ったかも。まぁそれは置いといて、何で⋯」 言いかけた途端に、部屋のドアが開かれる音がして俺は咄嗟に使われていない教卓(下までピッタリついてるタイプ)の下に隠れた。 「あれ〜?桃神くんしかいな〜い」 聞こえてきたのは、さっきから追いかけて来ていた先輩の声で。 あの下半身馬鹿王子は俺の居場所を聞かれたら絶対答えるだろうから、逃げる準備をする。 「ミカ先輩、誰か探してるんですか?」 「うん。桜音くん探してたんだけどぉ、見失っちゃったぁ〜」 やっぱりこの展開か! すぐ逃げられるように足に力を込めた。 「⋯⋯桜音はここに来てませんよ?」 「え〜、そうなのぉ?」 ⋯⋯⋯⋯え、あの人、今俺の事庇ったのか? あまりにも意外なことに頭がついていかない。 混乱してる俺に更なる混乱を招く会話が、聞こえてきた。 「じゃあさ、桃神くんがミカの相手してくれない?ミカ今誰かとエッチしたくて仕方ないんだぁ」 「また彼氏と喧嘩したんですか?」 「そうなのぉ。だから⋯⋯慰めて?」

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